1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10660194
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松居 隆 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 講師 (90011981)
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Keywords | テトロドトキシン / フグ毒 / クサフグ / TTX結合タンパク質 / 毒化機構 |
Research Abstract |
1.無毒養殖クサフグおよびトラフグを親魚年人工受精、ふ化、稚魚の飼育なフグを養殖し、定期的に毒性をチェックするとともに常時実験に使用する養殖フグを確保した。 2.筆者らが開発したTTX結合活性測定法を使用し、クサフグ血漿を試料にTTX結合タンパク質を精製単離した。クサフグ血漿を20mM phosphate buffer,pH7.2で10倍に希釈し、DEAE-celluloseを加えタンパク質を吸着させた後、250mM NaClを含むP.bufferで活性画分を溶出した。この画分の硫安35-65%飽和沈殿画分を集め、透析後Sephadex G-100ついでSephadexG-200ゲル濾過に付し活性画分を得た。さらにSephacrylS-200およびCellulofine A-500カラムクロマトグラフィーにより精製し、最終的にはTSK G-3000SLカラムにより活性タンパク質を単離した。このタンパク質の純度は7%ゲルのPAGEおよびSDS-PAGEにより検定し最終標品は電気泳動的に単一と認められた。SDS-PAGEより求めた分子量は116,000であり、TOF mass spectrometerにより求めた分子量は91,000とほぼ似た値が得られた。本タンパク質のアミノ末端シークエンスはプロテインシークエンサーによる分析により Ala-Prp-Ser-Pro-?-?-?-His-?-Leu-Thr-Lys-Pro-Val-と同定された。本タンパク質(1.2mg protein/ml)のTTX結合活性はTTX2.5nmol/mlを添加したときは66%であった。この結合活性は酢酸濃度0.05%で失活し、苛性ソーダで中和すると回復した。この結合活性の可逆性はフグ体内においてTTXの輸送および移動において本タンパク質が役割を演じていることを示唆するものである。 本タンパク質を抗原として、ウサギに免疫し、抗体の作成を試みたところ感度の非常に高い抗血清が得られた。抗体をProtein-Gカラムで精製し、ELISA法による本タンパク質の定量を試みた。
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Research Products
(1 results)