1998 Fiscal Year Annual Research Report
魚類細胞外マトリックス成分の細胞結合ドメインの構造と機能
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10660202
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
内田 直行 日本大学, 生物資源科学部, 教授 (80151885)
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Keywords | ナマズ / ティラピア / ウナギ / 肝細胞 / 血漿フィブロネクチン / コラーゲン / 細胞結合ドメイン / 繊維芽細胞 |
Research Abstract |
魚類細胞外マトリックス成分の細胞結合ドメインの構造と機能の解明のため、血漿フィブロネクチン(pFN)に対する結合性において高い種特異性を示すナマズおよびティラピア肝細胞と特異性の低いウナギ肝細胞のそれぞれのpFN(JCpFN-IおよびTpFN-I)、ウシpFN(BpFN)およびこれらのプロテアーゼ消化フラグメントに対する結合性を検討し、また、コイ真皮コラーゲン(CSCol)のコイヒレ線維芽細胞に対する結合ドメインの検索を行い、次の結果を得た。 1. RGDSペプチドの結合阻害性から、ウナギおよびティラピア肝細胞はRGD配列を、ナマズ肝細胞はRGD配列以外の配列を認識して結合すると考えられた。 2. JCpFNのプロテアーゼ消化フラグメントおよび単離されたJCpFN-Iの細胞結合性フラグメントに対するナマズおよびウナギ肝細胞の結合性を検討した結果、両肝細胞は異なる部位に結合することを、また、ナマズ肝細胞の結合を促進するエフェクターフラグメントの存在を確認した。 3. BpFNのプロテアーゼ消化フラグメントおよび単離されたBpFNの細胞結合性フラグメントに対するナマズおよびウナギ肝細胞の結合性を検討した結果、ナマズおよびウナギ肝細胞はBpFNの異なる部位に結合し、ナマズ肝細胞のBpFNに対する結合不全は、ティラピア肝細胞のCpFN-Iに対する結合不全と同様にナマズ肝細胞の結合部位が通常ではマスクされているためと考えられた。 4. TpFN-Iのプロテアーゼ消化フラグメントおよび単離されたTpFN-Iの細胞結合性フラグメントに対するナマズおよびウナギ肝細胞の結合性を検討した結果、ティラピアおよびウナギ肝細胞がTpFN-Iの異なる部位に結合することが示唆された。 5. CSColのCBペプチドから約25kDaのコイ、ヒレ線維芽細胞に対する結合ドメインを単離した。
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