1999 Fiscal Year Annual Research Report
フードシステムの動態過程と構造変革期におけるシステムの発展条件に関する研究
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10660204
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Research Institution | Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine |
Principal Investigator |
金山 紀久 帯広畜産大学, 畜産学部, 助教授 (00214445)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石橋 憲一 帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (60003117)
伊藤 繁 帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (00003145)
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Keywords | 食品用大豆 / フードシステムの分断 / 品種選択 / 地球環境 / 生分解性容器 / 国際競争 / 産地戦略 / 共生関係 |
Research Abstract |
本年度は,まず食品用大豆に関するフード・システム論的分析を行った.大豆食品の需要と製造の動向,食品用大豆市場とそこにおける制度的,政策的側面を検討して,食品用大豆のフード・システムが分断されていること,つまり,国内の大豆生産者は過去に市場獲得の機会があったにもかかわらず,それをものにすることができなかったことを明らかにした.一方で,ある程度は需要動向に反映した生産対応が行われていることについても,北海道を事例とした大豆の品種選択の検討によって示した. 次に,地球環境を意識した時代にふさわしい食生活が求めらる今日の変化を背景に,食品廃棄物の有効利用の実用例と馬鈴しょデンプンを利用した生分解性容器の開発事例について紹介した. 最後に,国際競争が厳しさを増す環境下において,わが国のフードシステムの成立条件を踏まえた上で,輸入原料および輸入製品との競合関係に焦点をあて,次の4作物を起点としたフードシステムの原料産地戦略について検討した.てん菜では、近年の砂糖需要の減少によって、フードシステムを構成する主体間でコンフリクトが発生し、新たな制度によるシステム形成が求められている。馬鈴薯はその用途の幅が広いことから多様であるが,ポテトサラダ等の加工では,一部の加工工場の立地が消費地立地型に変化してきており、その立地移動に対応した産地戦略が必要となってきている。たまねぎについては、原料段階で輸入品と厳しい競合関係にあり、第一に安定した原料供給が求められている。スイートコーンについては、製品レベルで厳しい競争下にあり、為替水準に強く影響される構造にある。その結果,今日の厳しい競争条件下では,原料産地と加工メーカーとが基本的には共生関係にあることを認識し,産地戦略の立案では、フードシステム全体がいかに発展していくのかという問題意識が重要となっていることが明らかとなった.
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