1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10660211
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
中林 吉幸 島根大学, 法文学部, 教授 (90237371)
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Keywords | 中山間地域 / 高齢者 / 農業 |
Research Abstract |
評記の研究課題を遂行するため、今年度も2ヶ所において実態調査を行った。1ヶ所は7月下旬に島根県金城町で、もう1個所は7月下旬から8月上旬にかけて高知県土佐町で実施した。調査は2つの町役場より事前に提供を受けた高齢者世帯名簿より100世帯を無作為抽出し、30世帯については個別面接聞き取り調査方式で、残りの70世帯については郵送アンケート回答方式で実施した。聞き取り調査については金城町は25件と83%という高い回答率となった。土佐町については逆に15件50%の回答率であった。郵送アンケートの回収率は金城町46件65.7%、土佐町が42件60%の回収率であった。郵送アンケートの回収率は昨年度よりも高くなった。今年度の調査地は昨年度と比べて異なる性格を有する地域である。すなわち金城町は島根県西部に位置するが、昨年調査した同県東部の横田町と比較すると過疎化が一層進んでいる。それは役場のある町の中心部にさえ商店が極端に少ないこと、飲食店を探すのが大変だったことなどからである。もう1ヶ所の土佐町は、昨年度の2つの調査地、そして今年の金城町、合計3つと比較して、町の中心部にかなりの商店街が存在することである。土佐町には中心地域にかなりの平坦地があることがその理由である。ただし、町の周辺部は過疎化がかなり激しく進展している。そこでこの町の1つの大きな特徴は、周辺の農山村から平地に移転することである。挙家離村は高知市あるいは大阪へ直接引っ越すという選択のほかに、町の中心部に移転するという選択肢がある町なのである。ただし、聞き取りアンケート結果からは2つの調査地域とも昨年度の2つの地域と比較してそれほど違った回答ではないようである。
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