2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10660211
|
Research Institution | SHIMANE UNIVERSITY |
Principal Investigator |
中林 吉幸 島根大学, 法文学部, 教授 (90237371)
|
Keywords | 中山間地域 / 高齢者 / 農業 |
Research Abstract |
標記の課題を遂行するため、今年度も2ヶ所において実態調査を行った。1ヶ所は島根県大和村で2000年8月に、もう1ヶ所は広島県高宮町で同年9月に実施した。調査は2つの役場より事前に提供を受けた高齢者名簿より各々100世帯を無作為抽出し、例年のように30世帯については個別面接聞き取り調査方式で、残りの70世帯については郵送アンケート方式で行った。聞き取り調査は大和村では30件中19件とやや低い回答率であった。高宮町においても30件中20件と、ほぼ同じ回収率であった。郵送アンケートの回収率は大和村が70件中41件58.6%、高宮町が70件中47件67.1%とかなり高い回収率となった。今年度の調査地は昨年度、一昨年度と比べて異なる性格を有していた。すなわち大和村は島根県東部山岳地帯に属するが、横田町と比べると過疎がかなり進んだ感じである。昨年度の金城町と似ているが、金城町よりさらにインフラの整備は遅れた感じを受けた。インフラとは道路なども含むが、ここではむしろ商店街のような日常生活に最小限必要な施設のことで、それが極端に不足している感じである。食堂、酒屋を探すのが簡単でなかった。もう1ヶ所の高宮町は広島県北東部に属すが、町おこしでかなり知られたところである。うわさどおり地区ごとに自治の協議会を有しており、それが中心となって各種行事を行っている。典型的な施設が民営の「ニュージーランド村」である。この町ではある程度活性化に成功してはいるのだが、それが人口流出の歯止めにはなっていない。町おこしが大なり小なり住民に活気を与えていることは確かなようだが、人口の減少は続いているのである。
|