1999 Fiscal Year Annual Research Report
流通の大型化・国際化のもとでの園芸産地再編の動向とそのメカニズムに関する研究
Project/Area Number |
10660216
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
大西 敏夫 大阪府立大学, 農学部, 助教授 (90233212)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
光定 伸晃 和歌山県農業試験場, 栽培部, 研究員
辻 和良 和歌山県農業試験場, 栽培部, 主査研究員
藤田 武弘 大阪府立大学, 農学部, 講師 (70244663)
細野 賢治 九州共立大学, 経済学部, 講師 (90271428)
内藤 重之 大阪府立農林技術センター, 企画部, 研究員
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Keywords | 産地再編メカニズム / 流通の大型化・国際化 / 柑橘産地再編 / 落葉果樹産地再編 / 近郊野菜産地再編 / 花き産地再編 / 農協再編 / 和歌山県園芸産地 |
Research Abstract |
本研究は、流通の大型化・国際化のもとで動静の著しい和歌山県園芸産地を事例に、生産者の経営構造の変化、産地の市場対応の視点から分析することにより、地域農業(園芸産地)の再編メカニズムを具体的に解明するとともに、今後の園内産地に求められる課題を提起した。 そこで、流通の「大型化」・「国際化」の実際を和歌山県園芸産地の実態に即して把握するため、既存統計資料の整理・分析を行うとともに、県下主要産地(農協等関係機関、生産農家約50戸)に対するヒアリング調査等を実施した結果、園芸産地再編の形態については概ね以下の諸類型を析出した。 果樹産地については、(1)高品質化・差別化と共販体制の再構築を軸にした産地再編(柑橘主産地)、(2)規模拡大と地域産業複合化のもとでの産地再編(ウメ主産地)、(3)落葉果樹主体への産地再編(モモ)、(4)落葉果樹の「品種転換」を基軸にしたの産地再編(カキ)、の4類型が確認された。野菜については、(5)軽量・軟弱野菜、葉菜類、地場特産物を軸に産地再編が進行している近郊野菜地帯(和歌山市・那賀地域)の1類型、花きについては、(6)花き産地への転換を果たした施設野菜地帯と、(7)花き経営との複合化を進める柑橘地帯の2類型が検出された。 以上の産地再編については、流通の大型化・国際化の影響を受けて進展していること、担い手構造・立地条件・他産地との競合条件等の諸条件のもとで進行していること、さらに農協組織等の再編とも関連して展開していることなどが再編メカニズムとして明確になった。今後の産地展開の方向については、このような産地再編のメカニズムを踏まえた産地への適切な指導体制・支援体制の確立と生産農家の組織強化が重要な鍵となろう。
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[Publications] 内藤重之: "切り花類の輸入動向と輸入業者の販売行動"地域農林経済学会大会報告論文集. 第7号. 59-64 (1999)
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[Publications] 辻和良: "切り花系統共販の実態と展開方向"地域農林経済学会報告論文集. 第7号. 53-58 (1999)
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[Publications] 内藤重之: "花き卸売市場における仲卸業者の実態と機能"農業市場研究. 第8巻 1号. 70-80 (1999)
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[Publications] 大西敏夫: "カキ主産地の形成過程と展開方向-和歌山県紀ノ川流域-"農政経済研究(掲載予定). 第22集. (2000)
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[Publications] 藤田武弘: "地場流通と卸売市場"農林統計協会. 155 (2000)