2000 Fiscal Year Annual Research Report
低投入高産出型の地域生物産業の構築に関する実証的研究
Project/Area Number |
10660218
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture |
Principal Investigator |
藤本 彰三 東京農業大学, 国際食料情報学部, 教授 (80147488)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮浦 理恵 東京農業大学, 国際食料情報学部, 講師 (00301549)
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Keywords | 農業経営 / 地域農業システム / 堆肥センター / 資源循環 / 有機栽培 / 緑肥 / 雑草管理 |
Research Abstract |
生態系と調和しつつ経済的に自立可能な農業経営をエコエコ農業、あるいは「低投入高産出」型農業と呼んでいるが、本研究はその確立のための諸条件を検討するものである。地域の自然環境や社会経済条件を踏まえたアプローチが必要との認識に立って、個別経営レベルのみならず地域レベルでの資源循環システムの構築に向けた技術的経済的課題の解明を目的としている。 本年度は、3年研究の最終年度に当たり、研究成果を精力的に取りまとめた。まず、有機廃棄物の循環利用における地域的取組みに関しては、長野県臼田町、茨城県美浦村、山形県米沢郷牧場、福島県本宮町の事例を用いて、堆肥センターの機能と地域農業発展における役割を中心に解明した。福島県熱塩加納村では、33戸の農家を対象とした質問票調査結果を踏まえて、水稲有機栽培の展開過程および経済的技術的課題について解明した。農協と役場の積極的な貢献は評価できるが、米価下落に加えて、堆肥センターなど地域循環システムの欠如が有機農業の収益性低下を結果していることが分かった。また、フィリピン・ミンダナオ島の高地農村で実施した野菜栽培の技術と経営に関する31戸の農家質問票調査結果を取りまとめ、貴重なデータを整理した。 さらに、新潟県上越市およびインドネシア・バリ島高地農村で緑肥導入実験を継続実施した。前者は水田におけるレンゲ栽培、また後者は野菜畑におけるエアリーベッチの導入を意図するもので、これらの結果も踏まえて、最終報告書をとりまとめた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 藤本彰三: "ベトナム紅河デルタにおける水田農業と資源循環の予備的考察"東京農業大学総合研究所紀要. 10号. 1-8 (1999)
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[Publications] 藤本彰三: "東南アジアにおける地域農業研究の枠組みと研究動向"農林業問題研究. 140号. 12-21 (2000)
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[Publications] 藤本彰三,宮浦理恵: "フィリピン・シンダナオ島の高地開拓村における野菜栽培の経営と技術"東京農業大学総合研究所紀要. 11号(印刷中). (2000)
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[Publications] Fujimoto,A.and R.Miyaura: "Farm Management Studies of Highland Vegetable Cultivation in Three Copuntries in Southeast Asia"Proceedings of Intenational Congress on Southeast Asian Agricultural Science, ISSAAS, Bogor, 6-8 Nov.2000,. (印刷中). (2001)
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[Publications] Miyaura,R.: "Prospects for Introducing Legume Crops in Highland Vegetable Area, Indonesia "Proceedings of Intenational Congress on Southeast Asian Agricultural Science, ISSAAS, Bogor, 6-8 Nov. 2000,. (印刷中). (2001)
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[Publications] Fujimoto,A.and K.Kamaruddin (eds.): "Highland Vegetable Cultivation in Indonesia : A Multi-Disciplinary Study toward Eco-eco Farming"World Planning, Tokyo. 426 (2001)