1998 Fiscal Year Annual Research Report
農山村地域の振興策としてのグリーンツーリズムの効果とその可能性
Project/Area Number |
10660223
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
広田 純一 岩手大学, 農学部, 教授 (00173287)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 理 北海道, 環境科学研究センター, 研究職員
八巻 一成 農林水産省, 森林総合研究所・北海道支所, 研究員
藤崎 浩幸 岩手大学, 農学部, 講師 (30209035)
土屋 俊幸 岩手大学, 農学部, 助教授 (50271846)
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Keywords | グリーンツーリズム / 農山村地域 / 中山間地域 / 地域活性化 / まち・むらおこし / 都市農村交流 / 条件不利地域 / レクリエーション |
Research Abstract |
本研究の目的は、農山村地域の振興の一手段として最近期待が高まっているグリーンツーリズムの実際の効果および将来の可能性を明らかにすることである。初年度はまず、グリーンツーリズム実施例の比較検討によって、多様な広がりを見せるグリーンツーリズムの概念整理とその類型化を試みた。その結果、グリーンツーリズムの要件としては、(1)体験が行われる場所が農山漁村(農林漁業が営まれ、それを営む人が住んでいる地域)、(2)体験の対象が、広義の農林漁業に関わるありのままの地域資源(有形・無形を問わないが、ツーリズムのために過度に加工されていないこと)、(3)企画・運営に地元に主体的に関わっている、(4)地元への経済面・精神面・情報面・人口面・環境保全面での動果がある、(5)地域の自然・社会に負荷をかけない、(6)友人・知人だけでなく不特定の来訪者を対象にしているの6つに整理されることを示した。また、グリーンツーリズム的な活動を行っている全国各地の30事例について、上記の要件を当てはめたところ、約半数の14事例は、主として要件(2)(体験の対象・質)に該当しないために、グリーンツーリズムとは呼びにくいことがわかった。次に、上記の要件を満たす15事例について類型化すると、a)行政主導/民間主導(地区、地元個人、転入個人)、b)体験重視(農林漁業・伝統文化、自然、レクリエーション、スポーツ)/場所(環境)重視、c)ハード中心(施設・土地)/ソフト中心(企画)に類型化できることがわかった。また、これらの類型に応じて、グリーンツーリズムの効果が異なることも予想された。この点については、次年度の課題とした。
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