1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10660238
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
戸次 英二 弘前大学, 農学生命科学部, 教授 (30003429)
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Keywords | 玄米 / 減圧乾燥 / 減圧度 / 乾燥温度 / 乾燥速度 / 胴割れ |
Research Abstract |
初年目の平成10年度に中粒種で行った減圧乾燥実験で、表面胴割れの多発が特徴的な現象であった。その抑制策を見い出すため、二年目の平成11年度に検討する計画であった。しかし、その予備実験の段階で長粒種を供試したところ、表面胴割れがさらに多く発生することが分かり、確認の実験を先行することにした。よって、表面胴割れの抑制策の模索は、最終年の平成12年度へずらし、それまでに考えられる抑制方法の可能性を探る。 本年度に供試した品種は長粒種のIR-64で、9月13日にフィリピンで収穫した生籾(水分26.6%)である。 1.減圧乾燥に関与する三つのパラメータ(温度、相対湿度、減圧度)のうち、温度は減圧度5kPaで35℃と45℃間において、乾燥速度を急激に上昇させた。その際に胴割れ率も高まったが、温度間の差は小さかった。 2.減圧容器内における乾燥初期の相対湿度は乾燥速度と胴割れ率へ大きく影響せず、減圧度や温度に比べさほど重要でないパラメータであることを確認した。 3.絶対圧で表した減圧度は低いほど乾燥速度が早く、全胴割れ率も高くなった。本実験で最も低い5kPaに至ると、その影響は顕著となった。前年度に供試した中粒種と比較して、表面胴割れがより多く発生した。 4.2%/h以下の乾燥速度下で胴割れを抑制するには減圧度をあまり下げず、温度を35℃に設定すべきと考える。それ以上の速度を望むならば、5kPaで35〜45℃を必要とする。ただし、全胴割れ率は70〜90%にも及ぶ。 5.1粒の内部に生ずる胴割れ(Internal fissure)は減圧度に若干影響されるのみで、きわめて少なかった。表面胴割れ(Surface crack)は温度と減圧度の影響を強く受けるので、抑制策のノウハウを見い出すことが第一である。平成12年度には、設定した減圧度を乾燥終期に徐徐に下げて行く操作法を検討する予定である。
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