1998 Fiscal Year Annual Research Report
画像処理技術とカルマン・ニューロを用いた輪ギクの品質評価
Project/Area Number |
10660243
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
近藤 直 岡山大学, 農学部, 助教授 (20183353)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 丹十郎 岡山大学, 農学部, 助手 (40195938)
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Keywords | 画像処理 / ニューラルネットワーク / 品質評価 / キク / 選花 |
Research Abstract |
本研究は画像処理技術,ニューラルネットワークを用い,輪ギクの切り花を対象とし,選花を自動的に行うシステムを構築することを目的として行っている。本年度はまず、岡山大学内のほ場において,輪ギクを種々の環境条件を設定することによって形態の異なるキクを栽培した。続いて、キクを収穫後,その基礎的物理特性を計測すると同時に,ビデオカメラに録画し,その画像をコンピュータに入力した。収穫したキクの評価を2名の専門家に依頼し,その評価結果を基に評価基準を分析した。その結果、専門家は以下の指標に基づいて総合的に評価されることが知れた。(1)切り花の全長は所定の長さ(普通は90cm)が必要で,それ以下では短いものほど評価が低い。(2)主茎の径は太すぎても細すぎても評価が低いが,ある程度の太さが必要である。(3)主茎は曲がっていないものが良い。(4)花首は長すぎても短すぎても評価は低い。(5)節間は,程良い長さで等間隔のものが良い。(6)葉はしおれておらず,すべての葉色が濃い緑色で統一されているものが良い。(7)すべての葉の長さが均一なもの(「うらごけ」状態でない)が良い。(8)花の色は単色で,まだらでないものが良い。(9)葉と花の寸法のバランスの良いものが評価が高い。2名の専門家の評価結果からは、評価者によってその基準が異なること、同一評価者であっても複数回の評価においては結果が異なることがあることなどが知れた。さらに専門家の評価結果と比較的相関の高いが全長,主茎径,葉面積および花首長等を入力パラメータとして選択し,カルマンニューロで学習させたところ、専門家の評価に非常によく追従することがわかった。 来年度は、評価を自動的に行うため、画像を用いた評価のための適当な指標を設定し、カルマン・ニューロの学習および品質評価システムの構築を行う予定である。
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