1998 Fiscal Year Annual Research Report
太陽エネルギー利用の高効率塩水淡水化システムに関する研究
Project/Area Number |
10660248
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
山口 智治 筑波大学, 農林工学系, 助教授 (40015839)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安部 征雄 筑波大学, 農林工学系, 教授 (70015808)
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Keywords | 太陽エネルギー / 塩水淡水化 / ソーラースチル / 被覆材 / 蒸発促進 / 超音波 / 対流ファン / 吸熱膜 |
Research Abstract |
本研究は,乾燥地・半乾燥地における農業および生活用水確保のため,太陽エネルギー直接利用による高効率的な塩水淡水化システムを開発することを目的としている。平成10年度においては,水盤型ソーラースチルの基本特性ならびに蒸発促進法について,実験的・理論的に検討を行った。結果は以下の通り。 1) 通常型ソーラスチルに関して,被覆材および源水の相違が集水量に及ぼす影響を検討した。最大集水効率は,無滴性ポリエステルフィルム使用時に示され,最低効率の有滴性ポリエステルフィルムに比べ約44%の増量となった。また,源水に3.5%濃度の塩水を使用した場合,水道水の場合に比較して約10%集水量は減少した。 2) 両屋根式水盤型ソーラースチルに蒸発促進機能として,内部対流ファン,水盤水表面への黒色膜設置ならびに超音波振動場の付加を行った場合の集水性能を検討した。室内実験では,対流ファン運転は最大38%,黒色膜設置は20〜25%,超音波振動場の付加は15〜20%,各々,集水量が増大した。超音波と黒色膜を設置した併用型の集水量は,約40〜50%増加した。屋外では,超音波が集水量に及ぼす影響は約10%であった。 3) 吸水性黒色布を水盤に垂直に設置して蒸発面積を拡大させ蒸発促進を試みた結果,集水量は約40%増大した。 4) ソーラスチルにおいて非定常熱収支解析を行い,スチル各部温度および集水量について,理論計算値と実測値とを比較検討した。その結果,水温および集水量の推定値は実測値によく一致していることが示された。 以上により,水盤型ソーラースチル基本特性の解明,蒸発効率促進法ならびに理論解析などを実施することが出来た。
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Research Products
(1 results)