1999 Fiscal Year Annual Research Report
草地の生物多様性が家畜糞尿中窒素の再吸収・利用に及ぼす影響に関する研究
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10660255
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Research Institution | Miyazaki University |
Principal Investigator |
西脇 亜也 宮崎大学, 農学部, 助教授 (60228244)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅原 和夫 東北大学, 農学部, 教授 (20005672)
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Keywords | 生物多様性 / 家畜糞尿 / 窒素 / 持続性 / 安定同位体窒素 / 低投入 / 酪農 / 放牧草地 |
Research Abstract |
種の多様性は草地生態系の生産性と持続性と安定性に影響を及ぼすと言われている。種多様性の問題は群集生態学上の重要なテーマの一つであると同時に応用生態学的にも重要なテーマである。本研究では以下の2点を扱った。1、種多様性の高い放牧草地ほど、家畜尿中の窒素の回収率が高いか否か?2、種多様性の高い放牧草地ほど、持続性が高いか否か? 採食圧の違いが被食植物の種類組成に及ぼす影響の解明を目的として、放牧地の植生調査を行い、草種構成の変化や種多様性の高さに放牧圧が大きく関係していることを見いだした。放牧圧の異なる管理が行われてきた酪農家の放牧草地の植生を調査した結果、放牧圧が高い管理がなされてきた草地では短草型草種の放牧圧が比較的低い管理の草地では長草型草種の優占が認められた。また適正な放牧管理を行っている草地では、長草型草種と短草型草種が安定的に共存し、高い種多様性を示すことを明らかにした。 さらに、低投入酪農方式を採用する酪農家が存在することが確認され、その方式の是非を検討した結果、それらの放牧草地は、生物多様性を高く保ちながら牛乳生産効率が高いことが明らかとなった。さらに、酪農家レベルでの窒素収支を算出し、放牧利用への依存度が高い酪農家では、窒素の循環利用の効率が高いことを見いだした。さらに、低投入酪農家の放牧草地で観察された高い多様性と環境保全性の理由を知るために検証実験を試みた。人工草地の安定性・持続性と種多様性および施肥管理との関係について野外実験を行った結果、放牧草地への長年の施肥によって草地の持続性が低下し種多様性があ低下する場合があることを明らかにした。 さらに、長草型の半自然草地において、種多様性の違いが、家畜糞尿中の安定同位体窒素で標識した尿素態窒素の回収率に与える影響を検討した結果、種多様性の高い草地ほど窒素の回収率が高いことを示した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 西脇 亜也 他4名: "放牧地の草種構成の変化に及ぼす採食圧の影響"Grassland Science Journal. 45. 52-58 (1999)
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[Publications] 西脇 亜也: "草原生物群集の成立と衰退"遺伝. 53. 1-5 (1999)
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[Publications] 佐藤衆介,西脇亜也,大竹秀男,篠原久: "搾乳牛の行動による低投入型放牧酪農の家畜福祉性評価"日本家畜管理学会誌. 34. 95-104 (1999)
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[Publications] M.Fukasawa,S.Sato,A.Nishiwaki and K.Sugawara: "The intluence of experienced cattle on grazing heharioor of calresin the novel pasture"Animal Science. 70. 74-80 (1999)
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[Publications] 渡辺也恭,西脇亜也,菅原和夫: "放牧地で形成される裸地がミノボロスゲ(Carex albata Boott)種子の休眠解除に及ぼす影響"Grassland Science. 45. 233-237 (1999)
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[Publications] 渡辺也恭,西脇亜也,菅原和夫: "ミノボロスゲ(Carex albata Boott)種子の休眠解除機構"Grassland Science. 45. 135-139 (1999)