1999 Fiscal Year Annual Research Report
共線維形成系を利用するコラーゲン・ケラチン複合材料
Project/Area Number |
10660256
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture & Technology |
Principal Investigator |
白井 邦郎 東京農工大学, 農学部, 教授 (70107168)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野村 義宏 東京農工大学, 農学部, 助手 (10228372)
石井 泰博 東京農工大学, 農学部, 助教授 (90015090)
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Keywords | 毛ケラチン / 可溶化毛ケラチン / S-スルホケラテイン / ジスルフィド形ケラチン / コラーゲンフィブリル形成 / コラーゲン・ケラチン複合材料 / 共繊維形成系 |
Research Abstract |
1)豚毛をジチオスレイトール(DTT)を用いて還元した後、亜硫酸ナトリウムと4チオン酸ナトリウムで処理して得た可溶化S-スルホケラテインを分別してマトリックスタンパク系の成分Bsを得た。2)Bsに添加するDTTの量を変えて種々の部分還元Bsを調製し,コラーゲン溶液と混合して繊維形成速度と形成されたゲルの強度を測定した。3)Bsに対して重量比で1/10のDTTを使用して調製した部分還元Bsをコラーゲンに対して1/10混合して線維形成を行ったときに,繊維形成の速度に影響を与えずに強度の強い(対照の2倍以上)ゲルが得られることを明らかにした。4)同様の方法でミクロフィブリルタンパク系のS-スルホケラテイン画分Bpを得た。この画分はそれ自身繊維形成能があるが,溶解性が劣るため,コラーゲンとの間で共繊維形成系を構築しにくい。しかし脱スルホン化剤としてチオグリコール酸ナトリウムを使用することにより溶解性の優れた部分還元Bp得られることを認めた。このような部分還元Bpとコラーゲンの混合溶液からより強固な繊維系が得られると期待できる。 以上の結果から,毛ケラチンから調製した可溶性の部分還元S-スルホケラテインとコラーゲンの混合溶液から,コラーゲンとケラチンを同時に繊維化する反応系を構築することができ,これを新機能複合材料の開発に応用できることが明らかにされた。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] AM.Kamal, Y.Nomura, Y.Ishii, K.Shirai: "Properties of bovine hair keratins solubilized with thioglycolate"J. American Leather Chem. Assoc. 93:272-282 (1998). 93・11. 272-282 (1998)
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[Publications] Y.Nomura, T.Mizutani, Y.Ishii, K.Shirai: "Structural properties of decorin from small intestine and its effect on type I collagen fibril formation"Animal Sci.Tech.. 69・8. 779-791 (1998)
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[Publications] Y.Yoshimura, Y.Chonan, K.Shirai: "Preparation and Dynamic Viscoelastic Characterization of Pepsin-Solubilized Collagen from Shark Skin Compared with Pig Skin"Animal Science Journal. 70・4. 227-234 (1999)
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[Publications] M.Terashima, K.Yoshimura, T.Imai, D.Hozan, K.Shirai: "Properties of Protein Extracted as S-sulfonate Derivative from lrradiated Mink Hair"Animal Science Journal. 71・1. 76-82 (2000)