1998 Fiscal Year Annual Research Report
栄養とインスリン様成長因子IIの遺伝子発現-パラクライン因子としてのインスリン様成長因子-II-
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10660269
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松井 徹 京都大学, 農学研究科, 助教授 (40181680)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鳥居 伸一郎 京都大学, 農学研究科, 助手 (50263132)
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Keywords | メンヨウ / ウシ / IGF-I / IGF-II / 卵巣摘出 / タンパク質欠乏 / 遺伝子発現 |
Research Abstract |
異なる月齢の肉用雌牛において、卵巣摘出が体量増加ならびに血漿中インスリン様成長因子(IGF)-Iに及ぼす影響を16ヶ月間にわたり検討した。7ヶ月齢の雌牛14頭と10ヶ月齢の雌牛16頭を供試した。7ヶ月齢のウシ8頭、10ヶ月齢の牛9頭に卵巣摘出を施した。いずれの月齢のウシにおいても卵巣晶出は術後2ケ月間における体重増加を促進した。しかし、卵巣摘出2ヵ月以降ではこの促進作用は認められなかった。その結、果16ヶ月間における体重増加に卵巣摘出は有意な影響を及ぼさなかった。卵巣摘出2カ月以降において血漿中IGF-I濃度は摘出手術の影響を受けなかった。肥育が進行するにつれ血漿中IGF-I濃度および体重増加速度は低下し、両者の間に正の相関関係が認められた。以上の結果から、卵巣摘出の肉用雌牛の体重増加に及ぼす影響は一時的であり、肥育後期に卵巣摘出を行うことにより体重増加が向上することが示唆された。 離乳直後のメンヨウにタンパク質欠乏飼料または対照飼料を4週間給与した。体重増加および骨成長は低タンパク質区で著しく抑制され、血漿中IGF-I濃度は低下した。一方、血漿中IGF-II濃度に差は認められなかった。供試したメンヨウを屠殺し、肝臓、骨、軟骨ならびに筋肉を採取した。現在、採取した組織から全RNAを抽出し、RT-P,CR法によりこれら組織で発現しているIGF-1およびIGF-IIの各クラスごとの転写産物量の定量を行っている。
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