1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10660276
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Research Institution | Nippon Veterinary and Life Science University |
Principal Investigator |
友金 弘 日本獣医畜産大学, 獣医畜産学部, 教授 (30023493)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大星 茂樹 日本獣医畜産大学, 獣医畜産学部, 助手 (10277668)
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Keywords | 胚の初期発育 / 胚体外発生培養 / コラーゲン / ヒドロキシプロリン異性体 / 細胞外マトリックス / マウス胚 |
Research Abstract |
マウスの胚発育において、コラーゲン合成の阻害剤であるヒドロキシプロリンの異性体cis-hydroxy-2-proline(CHP)を体外発生培養液に添加して、胚発育への影響を調べた。未経産マウスはホルモン処理(PMSG(5iu)を注射後48時間にhCG(5iu)を注射),雄マウスとの同居で、交尾を確認した妊娠マウスを用いた。2-細胞胚は最後の注射後41から44時間の間に輸卵管から回収した。回収した胚はM16液を用いて、マイクロドロップ(50ul)法で37℃、5%O_2,95%空気の気相下で培養した。2-細胞期(224個)から桑実胚への発育率は95%で、胚盤胞期胚への発育率は87%であったが、同時に培養液にCHPを50あるいは500ug/mlを加えると発育率は0%となった。CHPと同時にプロリン50ug/mlを2-細胞胚の発育培養に加えると、CHPの発育抑制は完全に取り除かれて、胚盤胞期胚まで発育した。しかし、プロリンに代えて、グリシンあるいはリジンを添加しても、CHPの胚発育抑制効果は取り除かれなっかった。この結果はCHPはコラーゲン構築のプロリンを特異的に阻害しでは桑実胚までの発育率は無添加の培養に同じであったが、胚盤胞期胚への発育率は著しく抑制された。つぎに、桑実胚の培養液にCHPを加えた時は胚盤胞期胚への発育率は低下したが、この中で、胚盤胞期胚にまで発育した胚では構成している細胞数は有意に少なかった。胚盤胞期胚からの培養液にCHPを添加した時には透明帯から脱出する胚盤胞期胚の率は著しく押さえられ、脱出に長く時間を要した。これらの結果CHPは2-細胞胚から4-細胞胚への発育と桑実胚からの発育に阻害効果を示し、胚発育においてコラーゲンは時期特異的に細胞増殖に必要であることが示された。
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