1998 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子DNAの塩基配列を利用した双口吸虫の虫卵による種の鑑別
Project/Area Number |
10660278
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
板垣 匡 岩手大学, 農学部, 助教授 (80203074)
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Keywords | 双口吸虫 / Calicophoron calicophorum / Orthocoelium streptocoelium / Homalogaster paloniae / Calicophoron microbothlium / DNA / 虫卵 / 種の鑑別 |
Research Abstract |
本年度は、1.日本に存在する双口吸虫を採集すること、2.双口吸虫の種類を同定すること、3.虫体からゲノムDNAを抽出すること、4.リボソームDNAのinternal transcribed spacer(ITS)のITS-1およびITS-2、またはミトコンドリアDNAのCOl、ND1遺伝子を増幅するプライマーを設計し、PCRによる増幅を確認すること、5.増幅産物の塩基配列を決定し、制限酵素切断地図を作製することによって、双口吸虫の種をDNAの塩基配列から識別できるか否かを明らかにすること、を目的として研究を行い、次の結果を得た。 1. 岩手県の牛からCalicophoron calicophorum,Orthocoelium streptocoelium、Homalogaster paloniaeの3種、鹿児島県喜界島の牛からCalicophoron microbothliumを採集し、圧平固定染色標本を作成して種を同定した。 2. これらの双口吸虫種からItagaki et al.(1995)の方法によってゲノムDNAを抽出することが可能であった。 3. リボソームDNAのinternal transcribed spacer(ITS)のITS-1およびITS-2を増幅するためのプライマーを設計し、抽出した双口吸虫のゲノムDNAをテンプレートとしてPCRを行ったところ、ITS-2だけが増幅された。 4. 増幅されたITS-2の塩基配列を決定し、その制限酵素切断地図から、制限酵素AccllおよびDdelの切断パターンの違いによって、4種の双口吸虫を識別できることが明らかとなった。
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