1998 Fiscal Year Annual Research Report
ラット,ウサギ,サル後部帯状皮質と視床との線維連絡の解剖学的解析
Project/Area Number |
10660279
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
柴田 秀史 東京農工大学, 農学部, 助教授 (50145190)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
靱負 正雄 (財)東京都神経科学総合研究所, 医学心理学研究部門, 主事研究員 (20113491)
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Keywords | 後部帯状皮質 / 視床 / 膨大後皮質 / 線維結合 |
Research Abstract |
今年度は,サルによる実験では,後部帯状皮質の一領域で脳梁膨大の下側に位置する後内側小葉(CML)から視床へ投射する線維の終止野,およびCMLへ投射する視床ニューロンの分布を検索した.順行性トレーサーとしてはビオチン化デキストランアミン(BDA)あるいは小麦胚結合過酸化酵素を,逆行性トレーサーとしては小麦胚結合過酸化酵素,コレラ毒素Bサブユニット(CTb)あるいは蛍光色素(Fast Blue,Diamidino Yellow)を使用した.背側視床内での順行性標識終末と逆行性標識細胞の分布はほぼ重複していた.標識は,内側前核,腹側前核,背外側核外側部および後内側部,内側枕核内側部および背側部に見られた.なお,視床結合核と境界核には逆行性標識細胞のみが分布していた.以上のことは,サルCMLは辺縁系と多感覚性の情報を視床から受けると同時に,CMLからの情報も辺縁系と多感覚性の視床核へ送られることを示唆する. ラットによる実験では,後部帯状皮質(29野)から視床背外側核への投射の局所対応関係を,BDAとCTbの軸索輸送法により明らかにした.その結果,29野からLDへの投射線維は大部分は29野VI層の錐体細胞から起始し,同側性にLDに投射すること,およびその終止野は,29野吻側部はLD腹内側部に,尾側部はLDのより背外側の領域に対応するように投射することがわかった.以上のことは,29野およびLDはその部位によって異なった情報を処理している可能性を示唆している.
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Research Products
(1 results)