1999 Fiscal Year Annual Research Report
牛におけるストレスがAVP投与後のACTH・Cortisol分泌に及ぼす影響
Project/Area Number |
10660286
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
長谷川 信美 宮崎大学, 農学部, 助教授 (50281217)
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Keywords | ACTH / コルチゾール / AVP / ストレス / 牛 |
Research Abstract |
〔目的〕本研究は、反芻動物へのアルギニンバソプレシン(AVP)投与に対する下垂体ホルモンACTHおよび副腎皮質ホルモンのコルチゾールの分泌反応の、種々のストレス下での違いを明らかにすることにより、ストレス評価の手段として利用できる可能性を明らかにすることを目的としている。 〔実験方法〕実験1.社会的ストレス:育成牛4頭の群に2頭を導入して6頭1群とした。闘争行動を観察し、その勝敗により社会的序列の評価を行った。導入前、導入後2日、7日、14日、30日にAVPを頸静脈へ投与し、0、5、15、30,、60、120分に採血を行い、RI法により、血漿中ACTHとコルチゾールの分析を行った。実験2.暑熱ストレス:育成牛実験区4頭を1時間パドックに放飼し、対照区4頭は、畜舎内とし、実験1と同様にAVP投与後採血を行い、ACTHとコルチゾールの分析を行った。 〔結果〕実験1.血漿中ACTH濃度はAVP投与後5分でピークとなりその後低下した。ACTH分泌反応は個体差が大きく、社会的ストレスとの関連は見られなかった。血漿中コルチゾール濃度はAVP投与後15分から30分にピークとなり、その後低下した。群構成後14日の社会的序列は、14日の血漿中コルチゾール濃度と有意な正の相関、30日の血漿中コルチゾール濃度と有意な負の相関を示した。 実験2.実験開始時の気温は36℃であったが、その後曇ってしまい、十分な暑熱ストレスをかけることができなかった。そのため実験区と対照区で、AVP投与に対するACTHとコルチゾール分泌反応に有意な差は見られなかった。 今年度の実験では、社会的ストレスの評価手段として、AVP投与に対するコルチゾール分泌反応が利用できることが示唆されたが、暑熱ストレスに関しては明確な反応を得ることができなかった。平成12年度には、さらに実験を行って検討する予定である。
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