1999 Fiscal Year Annual Research Report
フリーラジカルと脳の老化:ビーグル犬の脳におけるメタロチオネオインの役割
Project/Area Number |
10660300
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
島田 章則 鳥取大学, 農学部, 教授 (20216055)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山野 好章 鳥取大学, 農学部, 助教授 (00182593)
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Keywords | イヌ / メタロチオネイン / 脳 / 鉄 / 加齢 |
Research Abstract |
平成11年度に、ビーグル犬の脳内加齢性諸変化、特にフリーラジカルによる障害が原因と考えられている神経細胞のアポトーシスとMTとの関連性を明らかにする目的で、加齢性諸変化(βーアミロイド沈着、神経細胞のアポトーシス・変性・脱落、アストロサイトの増生、リポフスチン色素沈着、軸索ジストロフィー、金属蓄積)の分布を検索した。結果、加齢に伴い、イヌの脳内に鉄および鋼が蓄積することが判明した。これらの金属イオンはフリーラジカル産生に大きな役割を果たすことが知られている。そこで、 1.鉄および鋼の脳組織・細胞内外での分布および 2.それらの金属が蓄積することの原因を知る目的で、金属輸送蛋白、レセプター蛋白、トランスポーター蛋白、メタロチオネイン蛋白・遺伝子発現の異常の有無を明らかにすることを目的として組織化学的染色、免疫化学的染色およびin situ hybridizationを実施した。 その結果、以下の所見が確認された。 1.鉄元素の脳内蓄積の程度および分布 視床の神経細胞および血管周囲グリア細胞の細胞質内に顆粒状の鉄元素蓄積が認められた。同部位にリポフスチン色素沈着が著名であることから、鉄蓄積によるラジカル傷害発生と細胞内小器官変性に基づくリポフスチン色素形成との関連が示唆された。 2.メタロチオネインmRNA発現の確認 鉄蓄積の著明な視床におけるメタロチオネインmRNAの発現増強が確認され、メタロチオネインのフリーラジカル防御能が示唆された。
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