1998 Fiscal Year Annual Research Report
アミノ多糖の創傷治癒促進機序における分子量および脱アセチル化度の関わり
Project/Area Number |
10660301
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
岡本 芳晴 鳥取大学, 農学部, 助教授 (50194410)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
指輪 仁之 鳥取大学, 工学部, 助教授 (20205884)
南 三郎 鳥取大学, 農学部, 教授 (70032307)
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Keywords | キチン / キトサン / 創傷治癒促進 / 線維芽細胞 / 血管内皮細胞 / 遊走能 / 肉芽形成 / 引っ張り強度 |
Research Abstract |
1. 切開創の引っ張り強度に及ぼすキチン・キトサンの分子量および脱アセチル化度の影響 ラットを用いて、背部皮膚に切開創を作製し、種々の分子量および脱アセチル化度のキチン・キトサンを等のサンプルを切開部位に投与し、組織学的観察および引っ張り強度測定を実施した結果、キチン・キトサンともその分子量および脱アセチル化度に関係なく術後4日目の引っ張り強度は対照群に比べて有意に上昇することが明かとなった。またキチン・キトサンの濃度に及ぼす影響については、低濃度ほど皮膚の暑さが減少する事が明かとなった。組織学的観察の結果、高濃度のキチン・キトサンにおいては炎症反応が強い傾向がみられた。 2. キチン・キトサンおよびこれらのオリゴマー・モノマーが線維芽細胞および血管内皮細胞に及ぼす影響 キチン・キトサンおよびこれらのオリゴマー・モノマーが線維芽細胞および血管内皮細胞の増殖能および遊走能に及ぼす直接的な影響をMIT assay法およびBlind well ehamber法を用いて検討した結果、増殖能についてはどのサンプルも影響を及ぼさなかった。また遊走能については線維芽細胞に対しては、キチン、キトサンおよびキトサンモノマーにおいて抑制的に働いた。いっぽう、血管内皮細胞に対しては、キチン、キトサンおよキチンモノマーにおいてその遊走を促進した。またキトサンオリゴマーおよびキトサンモノマーにおいてその遊走を抑制することが明かとなった。
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