1998 Fiscal Year Annual Research Report
家畜・森林・土壌・水の生態系を生かした中山間地農林業の発展と環境保全
Project/Area Number |
10660309
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
八巻 邦次 東北大学, 農学部, 助手 (70091759)
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Keywords | 家畜 / めん羊 / 環境保全 / 中山間地 / 生態系 / 森林 / 土壌 / 水 |
Research Abstract |
めん羊牧草区(東北大学付属農場と岩手県住田町の種山ケ原の放牧地)とそれに隣接する林間放牧区にそれぞれ配置し、1週間毎の増体量、採食量、採食草種、の違いを調べた。また、牧草と林間放牧区のいくつかの草種をサンプリングし牧草生産量、可化消化養分総量(TDN),粗蛋白質(CP)あたりの牧養力を算出した。採食利用性は方眼法と個体追跡法により、採食回数、採食時間、採食草種の構成割合などで調査した。 林間放牧区内の一部を放牧圧によって3区に分け、前もって牧草を播種し、めん羊による蹄耕法で林床を草地化した。蹄耕法による放牧圧と牧草の発芽率、牧草の収量、森林下草の再生能力との関係を調べた。 めん羊を林間放牧することによる森林環境に与える影響を土壌の腐植と糞による土壌汚染を土壌有機物の含量から調べた。一般土壌分析は可給態窒素量を保温静置法で、可給態リン酸をトルオーグ法で、交換性陽イオンを原子吸光法で求め土壌環境の変化のデータをとった。 林床を草地化した場合の森林の保水力と水環境の変化を一般的な水質検査により測定した。測定項目は外観、臭気、味、pH、亜硝酸性窒素、塩素イオン、BOD、一般細菌群、大腸菌群について調べた。 これらの試験が終っためん羊は屠殺解体してその産肉能力を屠体重、枝肉歩留り、精肉歩留り、生産者価格、生産コスト、収益について調べた。産毛能力を原毛重、洗毛歩留り、価格、収益について調べ、放牧地と林間区で比較した。これらを考慮して林間と放牧地の生産性の比較を行った。また、これらの結果を総合し、家畜の放牧が森林の環境保全にどの様な影響を与え、生産効率を上げることで中山間地農林業の発展とこれらの調和が可能であるかの考察を検討中である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] K.Yamaki and N.Chuchi: "Sheep breeds using forest resources and environmental conservation in Japan" The 6th World Cong.on Gent.Appl.Livest.Prod.No.27. 181-184 (1998)
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[Publications] 八巻邦次: "動物のいる農村景観" 農林統計調査. 48・10. 35-39 (1998)