1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10660311
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
林 信行 佐賀大学, 農学部, 助教授 (50173018)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安藤 浩毅 鹿児島県工業技術センター, 化学部, 研究員
藤田 修二 佐賀大学, 農学部, 教授 (90039339)
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Keywords | 芋焼酎蒸留廃液 / ジェット水流 / 固液分離 / 細胞破砕 |
Research Abstract |
本研究は、ジェット水流式の芋細胞破砕装置を開発し、芋焼酎蒸留廃液中に浮遊する細胞を破壊することにより廃液の固液分離効率を向上させ、その後の廃水処理負荷の軽減あるいは有用物質の回収の効率化を図ることを目的としている。本年度は、ジェット水流装置の設計・試作と、試作装置の運転パラメータと細胞破砕状態の関係および処理液の固液分離効率との関係解明に重点を置いた研究を行った。 まず、設計に当たり、装置の廃液押し出し機構は、ガス増圧ピストン方式とし、200〜1,500kg/cm^2の押し出し圧力を得られるようにした。ノズルは0.2φ×3mm(L/D=length/diameter=15、r/R=nozzle diameter/nozzle entrance diameter=10)とし、ジェットを180゚で正面衝突させる機構とした。まず、種々の押し出し圧力で芋焼酎蒸留廃液の押し出し実験を行い、処理液中の芋細胞の破砕状態を顕微鏡的に観察したところ、300kg/cm^2程度の予想外の低圧力でも十分に細胞が破砕されており、細胞破砕という点では本手法の有効性が確認された。しかしながら、細かくなりすぎた細胞壁は、液部との密度差が小さくなり遠心分離効果が低下することが判明し、より緩やかな処理条件の検討が必要であることがわかり、目下、ノズル径を大きくし、衝突速度を低下させる方向で新規パーツを作成中である。また、回収固形物の有効利用を図るため、金属塩を使わない凝集沈殿法としてキトサンの利用を検討し、試験に取り掛かったところである。天然物由来の凝集剤を併用した遠心沈降分離により得られた回収物は、飼料・肥料としての利用が容易となるものと考えている。(706字)
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