1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10660311
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Research Institution | SAGA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
林 信行 佐賀大学, 農学部, 助教授 (50173018)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安藤 浩毅 鹿児島県工業技術センター, 研究員
藤田 修二 佐賀大学, 農学部, 教授 (90039339)
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Keywords | 芋焼酎蒸留廃液 / 水流ジェット / 細胞破砕 / 圧搾脱水 / キトサン凝集剤 / 固液分離 |
Research Abstract |
1993年のロンドン条約議定書により芋焼酎廃液は2001年までに全て地上での処理法に切り替えることが義務づけられたが、廃液のBOD値は5万を越え、従来法では容易に処理することができない。そこで本研究では、新規芋細胞破砕装置を開発し、廃液中に浮遊する細胞を破壊することにより固液分離効率を向上させ、その後の処理あるいは利用展開を容易ならしめることを主たる目的として研究を行った。まず、廃液処理に特化した水流ジェット装置を試作し、種々の圧力で廃液を正面衝突させ、廃液中の芋細胞の破砕状態を調べたところ衝突圧力の上昇に伴い細胞の破砕程度が上昇することが確認された。続いて、種々の圧力で処理した廃液について、圧搾脱水、PACあるいはキトサンによる凝集沈殿、遠心分離などの試験を行い、固液分離効率を調べた。その結果、圧搾により得られた脱水ケーキは固形分量が約45%に達し(ジェット圧250〜500kgf/cm^2時)、脱水速度も未処理の廃液に比べ2倍の向上が見られ、細胞壁破壊による固液分離向上効果が認められた。さらに、濾過助剤として珪藻土を添加して圧搾脱水を行ったところ、固形分含量は50%に達し、脱水速度も上昇した。凝集剤沈殿については固形分濃度が凝集力を上回り、分離効率は低かった。しかしながら、希釈廃液については、キトサン凝集剤がPACの1/10濃度でその効果を発揮することが明らかとなり、今後の研究展開のための有益な知見が得られた。高濃度廃液(原液)については遠心分離と凝集剤の併用効果を中心に検討したが、ジェット処理の効果は顕著に現れず、また固形分濃度も10%程度にとどまり検討の余地を残した。 (694字)
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