2001 Fiscal Year Annual Research Report
エポキシ環を有するシャクガ性フェロモンの生産制御と受容機構の解明
Project/Area Number |
10660315
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
安藤 哲 東京農工大学, 大学院・生物システム応用科学研究科, 教授 (50151204)
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Keywords | フェロモン / 性フェロモン / 鱗翅目 / シャクガ / 生合成 / エポキシ化酵素 / 体液 / 不飽和炭化水素 |
Research Abstract |
ヨモギエダシャクの雌成虫は、性フェロモン成分としてcis-3, 4-epoxy-6, 9-nonadecadiene(1)を分泌する。これまでのin vivo実験において、1はフェロモン腺で進行する3, 6, 9-nonadecatriene(2)のエポキシ化反応により生成するが、2の前駆体と考えられるC20トリエン脂肪酸のフェロモン成分への取り込みは認められていない。このことから、2はフェロモン腺以外で生合成され体液を経由してフェロモン腺に移動することが考えられた。そこで本種処女雌の体液を分析するとともに、in vitroでの実験系を確立することとした。 処女雌から直接体液を絞り取ることは困難であったため、切開した腹部を数mlの蒸留水で洗浄し体液を得た。混入した組織片を遠心分離にて除去した後、その水層をヘキサンとともに良く震蘯した。ヘキサン層をフロリジルカラムで精製しGC-MSにて分析したところ、1雌あたり約50ngのトリエン(2)の存在が確認された。この結果は、disparlureの前駆体である不飽和炭化水素がマイマイガの体液中に存在することと一致しており、フェロモン前駆体である2の合成場所はエノサイトあるいは真皮細胞であることを示唆している。一方、培養フェロモン腺でのエポキシ化も確認でき、現在、エポキシ化の過程に及ぼすPBANの働きを検討中である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Sadao WAKAMURA et al.: "Posticlure : a novel trans-epoxide as a sex pheromone component of the tussock moth, Orgia postica (walker)"Tetrahedron Lett. 42(4). 687-689 (2001)
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[Publications] Hiroyuki YAMAZAWA et al.: "Synthesis and characterization of diepoxyalkenes derived from (3Z, 6Z, 9Z)-trienes, lymantriid sex pheromones and their candidates"J.Chem.Ecol. 27(11). 2153-2167 (2001)
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[Publications] 安藤哲: "昆虫フェロモン研究の到達点と展望"日本農薬学会誌. 26(3). 300-304 (2001)
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[Publications] 安藤哲: "昆虫フェロモンの多様性と受容機構"Aroma Research. 3(1). 26-33 (2002)