1998 Fiscal Year Annual Research Report
水チャンネル遺伝子の発現とイネの耐冷性との関係の解明
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10660319
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Research Institution | Akita Prefectural College of Agriculture |
Principal Investigator |
北川 良親 秋田県立農業短期大学, その他の部局等, 教授 (10006752)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
李 楽攻 秋田県立農業短期大学, 附属生物工学研究所, 博士研究員
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Keywords | 水チャンネル / 脱水ストレス / 耐冷性 / イネ |
Research Abstract |
(1) 水チャンネル遺伝子と耐冷性との関係。 低温感受性のイネ品種「早生統一」のcDNAライブラリーから、3種類の水チャンネル遺伝子(rwcl,rwc2,およびrwc3)を分離した。rwclおよびrwc2は根および葉のいずれでも発現している水チャンネル遺伝子であった。rwc3は根で特異的に発現している遺伝子である。rwc3について、イネの耐冷性との関係を調べた。rwc3はイネ苗を低温下に置くと発現しなくなる。しかし、0.5Mマニトールで前もって脱水ストレスを与えると低温下でもrwc3が発現し、その時、イネは耐冷性を獲得する。さらに、脱水処理後、カフェインを処理しすると、低温下でのrwc3の発現が抑制され、その時、イネは枯死する。このことから、低温下で水チャンネル遺伝子が発現するとイネは耐冷性を示すことが証明された。 (2) rwc3プロモーターの解析。 rwc3遺伝子が何故低温下で発現できないかを解明するために、ゲノミックライブラリーからrwc3遺伝子を分離した。プロモーターとして約4kbpの塩基配列を解読した。プロモーター部分をレポータ遺伝子GUSにつないで、イネにパーティグルガンで導入し発現条件を検討した。まだ、予備的結果しか得られていないので、来年度に正確な結果を出す予定である。 (3) 抗体を用いた組織分布の解析。 水チャンネル遺伝子の膜露出部分のアミノ酸配列を合成し、ウサギを免疫して、抗体を得ることができた。
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[Publications] Joshee,N.et.al.: "Isolation and characterization of a water stress-specific genomic gene,pwsi18.from rice" Plant Cell Physiol.39(1). 64-72 (1998)
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[Publications] Kitagawa,Y.et.al.: "Water stress-induced chilling tolerance in rice;putative relationship between chilling tolerance and Ca2+ flux." Plant Sci.173. 64-85 (1998)