1998 Fiscal Year Annual Research Report
ジーンターゲッティング法による網膜色素上皮細胞の機能の解析
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10670008
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
相良 洋 東京大学, 医科学研究所, 助手 (50145041)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
勝木 元也 東京大学, 医科学研究所, 教授 (20051732)
廣澤 一成 東京大学, 医科学研究所, 教授 (30009980)
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Keywords | 網膜色素上皮 / 単クローン抗体 / ジーンターゲッティング / RPE65 / ビタミンA / isomerohydrolase |
Research Abstract |
ニワトリおよびウシ網膜色素上皮(RPE)細胞を免疫原として作製した単クローン抗体、S5D8、S5H8、Y3Hの認識する抗原蛋白質、RPE65の遺伝子ノックアウトマウスを作製する過程として、本年度はマウスRPE65遺伝子のクローニングを試みた。申請者らがすでに得ているニワトリPRE65のcDNAの塩基配列および、ラットRPE65のcDNA配列を参考にしてそれぞれ20merよりなる5種のオリゴDNAを合成した。これをプローブとし、マウスES細胞より抽出したゲノムDNAをtemplateとしてPCR反応をおこない、約1100bp、約300bpの2種のPCR産物を得た。PCR産物の塩基配列はニワトリ、ラット等のRPE65のcDNAの塩基配列と非常に高い相同性を示した。現在、このDNAをプローブとしてマウスゲノムDNAライブラリーのスクリーニングをおこなっている。 マウスゲノムDNAのクローニングと平行して、3種の単クローン抗体を用いた免疫組織化学的解析をおこなった。すなわち、脊椎動物全綱(軟骨魚類を除く)の動物のRPE細胞における3種の単クローン抗体の反応性を蛍光抗体法により検索した。抗体Y3Hは最も下等な脊椎動物といわれるヤツメウナギを除いて、調べたすべての動物のRPE細胞と反応した。抗体S5D8はロドプシンの発色団としてビタミンA1を用いる動物のRPE細胞とのみ反応し、ビタミンA2を用いる動物のRPE細胞とは反応しない傾向を示した。これらの結果および発生学的解析の結果、RPE細胞におけるビタミンA代謝活性の特性を考え合わせ、RPE65分子はRPE細胞内でall trans retinylesterより11-cis retinolを合成する、isomerohydrolaseの活性と密接に関連した機能をもつことが示唆された。また、マウス以外の動物における遺伝子操作による解析も視野に入れ、zebrafishのcDNAクローニングも行っている。すでに部分的に塩基配列を決定し、他の動物の塩基配列と非常に高い相同性を持つことを明らかにした。
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