1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10670012
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
鳥橋 茂子 名古屋大学, 医学部, 助手 (90112961)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾崎 博 東京大学, 大学院・農学生命化学研究科, 助教授 (30134505)
中山 晋介 名古屋大学, 医学部, 助教授 (30192230)
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Keywords | ペースメーカー / c-kit / マクロファージ / LPS / 自動能 / 平滑筋 / NOS / ヒルシュスプルング病 |
Research Abstract |
消化管平滑窃層の自動運動を調節する細胞群として筋層内のペースメーカー細胞(c-kit発現細胞)と組織マクロファージについて研究し以下のごとく成果を上げた。 1. ペースメーカー細胞(c-kit発現細胞)について モルモットの結腸には生理学的に強く規則正しく自動運動が計測される部位がある。この部位を形態学的に検索をした結果、ここにc-kit発現細胞であるペースメーカー細胞が特に多く分布していることがわかった。さらにこのべースメーカー細胞が特殊な平滑筋細胞であることを示した。 またこれまで不明であったヒト消化管のペースメーカー細胞についてc-kitを指標とした免疫組織化学で分布を明らかにした。ヒト結腸のペースメーカー細胞が神経節細胞を欠くヒルシュスプルング病患者で変化するかどうかについて検討したところヒルシュスプルング病患者でもペースメーカー細胞は正常と変わり無く分布していることがわかった。 以上の結果についてはすべて口頭および論文で発表した。 2. 組織マクロファージについて 平滑筋層にはほぼ均等に密に分布するマクロファージが存在する。食胞は通常目立たないが主要組織適合抗原クラスIIを発現している。これらのマクロファージの機能について検討した。 細菌毒素のひとつリポポリサッカライド(LPS)を含む培養液で筋層を処理するとこれらマクロファージは誘導型のNO合成酵素を発現し、NOを産生ずるようになる。その結果筋層は弛緩した。これらの反応は経時的に増強した。さらにヒルシュスプルング病のモデルラットでは消化管運動異常から腸内細菌が増加し、腸内環境は悪化しているがこれを反映するようにこのモデル動物ではマクロファージの数がコントロールと比べて有意に増加していた。以上の結果については投稿準備中である。また今後、増殖したマクロファージがNOを産生し実際に平滑筋を弛緩させているかどうかについて検討していく。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Torihashi S. Horisawa M. Watanabe Y.: "c-Kit immunoreactive interstitial cells in the human gastrointestinal tract." Journal of Autonomic nervous system.75 (1). 38-50 (1999)
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[Publications] Horisawa M.Watanabe Y.Torihashi S.: "Distribution of c-Kit immunopositive cells in normal human colon and in Hirschsprung's disease." Journal of Pediatric Surgery.33 (8). 1209-1214 (1998)
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[Publications] Young HM.Torihashi S.Ciampoli D.Sanders KM.: "Identification of neurons that express stem cell factor in the mouse small intestine." Gastroenterology.115 (4). 898-908 (1998)
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[Publications] Nahar NS.Torihashi S.Iino S.et.al.: "Special smooth muscle cells along the submucosal surface of the guinea pig colon with reference to its spontaneous contractions." Cell & Tissue Research. 293 (1). 143-154 (1998)
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[Publications] Saito SY.Watanabe S.Ozaki H.et.al.: "Actin-depolymerizing effect of dimeric macrolides, bistheonellide A and swinholide A." Journal of Biochemistry.123 (4). 571-578 (1998)
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[Publications] Yoshimoto R.Mitsui-Saito M.Ozaki H.et al.: "Effects of adrenomedullin and calcitonin gene-related peptide on contractions of the rat aorta and porcine coronary artery." British Journal of Pharmacology.123 (8). 1645-1654 (1998)