1998 Fiscal Year Annual Research Report
神経溝閉鎖不全による脊髄伝導路及びシナプス構築の変化
Project/Area Number |
10670018
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
松田 正司 愛媛大学, 医学部, 教授 (40173843)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
絹谷 政江 愛媛大学, 医学部, 教授 (60035491)
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Keywords | 二分脊椎 / 神経溝閉鎖不全 / 細胞死 / シナプス / 伝導路 / 鶏胚 |
Research Abstract |
実験的二分脊椎モデルの作製 鶏胚を用いて手術的に実験的二分脊椎モデルの作製を行った。(1)手術時期決定のための基礎実験。69、72、75、78、84時間孵卵した鶏胚を用い、ヒト二分脊髄症で発症例が多い腰部を中心に1〜7体節分の脊髄を背方から微小ナイフで切開した。その結果、手術後4日目(孵卵後、7日目)の生存率は72及び75時間では、50%以上であったが、69、78、84時間では、40%以下であった。(2)手術範囲決定の基礎実験。二分脊椎の成功率は1、3体節切開で0%(0/31)であったが、5、7体節切開では、100%(18/18)であった。しかし、7体節切開の生存率は5体節切開の1/2以下であった。従って、軽症の二分脊椎モデルとしては孵卵後72〜75時間に手術を行い、5体節分切開するのが最も適当との結論になった。 現在、作製したモデルについては神経細胞死の計測用にパラフィン切片として包埋する一方、シナプス数の計測の為の電子顕微鏡超薄切片用に固定包埋している。これまで試験的にTUNEL染色した結果から見ると少なくとも二分脊椎となっている局所(腰髄)では、術後4、6日目(孵卵7、9日目)にもTUNEL染色陽性細胞数が増加していることが判明しており、手術の直接損傷によるのではなく、脊髄中心管の開存により神経細胞が持続的に死滅していくことが考えらる。平成11年度については手術数を増やしこのことを統計的に検討する。さらに、シナプス数の変化についても検討していく。
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Research Products
(1 results)