1999 Fiscal Year Annual Research Report
神経溝閉鎖不全による脊髄伝導路及びシナプス構築の変化
Project/Area Number |
10670018
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
松田 正司 愛媛大学, 医学部, 教授 (40173843)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
絹谷 政江 愛媛大学, 医学部, 教授 (60035491)
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Keywords | 二分脊椎 / 神経溝閉鎖不全 / 細胞死 / シナプス / 伝導路 / 鶏胚 |
Research Abstract |
脊椎の開裂には、ニワトリとウズラの脳脊髄を入れ替えるキメラ作製用の刺繍針を研磨した鋭利なナイフを使用した。主にstage18-20の鶏胚腰仙部に1,3,5又は7体節分の再開裂を加えて二分脊椎モデルを作製した。電顕用に採取した各試料は3%グルタールアルデヒド溶液で固定後のオスミウム固定し一般的電顕試料作製法に従い包埋した。電顕用切片に薄切後、単孔メッシュに載せ電子染色後電子顕微鏡で観察。脊髄半側全体を2,100倍でモンタージュ撮影し、約4,000倍でプリントしルーペでシナプスの分布を調べた。孵卵7日目の正常と7体節再開裂例ではそれぞれ100枚程度のネガフィルムを用いた。シナプス肥厚とシナプス小胞の両方の存在をもって1個のシナプスと同定し模式図にプロットした。結果は以下のようである。 (1)脊髄裂を伴った二分脊椎では、脊髄の中心管は背側に開き、その構造は第四脳室下の構造に似ていた。 (2)光学顕微鏡で観察したように正常脊髄に比較し7体節再開裂二分脊髄例では白質、灰白質、胚芽層の境界が不明瞭であるが、電子顕微鏡でも二分脊髄例でこれらの境界はさらに不明瞭である。 (3)二分脊髄を電子顕微鏡で観察すると組織内が粗で細胞外膣が大きいのが目に付く。このような部分にはシナプスは全く見られない。 (4)正常でも、二分脊髄でもシナプスは灰白質に面する白質内に限局する。シナプス数は、二分脊髄では29個、正常脊髄では47個であった。特に背側でのシナプス減少が著明であった。 発生期の細胞外腔は神経細胞が分化・成長したりその軸索や樹状突起が伸長するのに重要なスペースである。発生期の脊髄の細胞外腔は初期にはかなり広いが、発生が進むにつれて狭くなる。二分脊椎においては時期が進んでも脊髄細胞外腔が広いままであることからその部分での発生が遅れていることが考えられ、実際、これらの細胞外腔の広い部分にはシナプスは認められなかった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 松田正司: "知覚神経節細胞の形態変化と衛星細胞の働き"解剖学雑誌. 73. 603-613 (1998)
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[Publications] S.Matsuda et al.: "Morphological changes of sensory neurons and perikaryak projections analysed by SEM."Microscopy and Analysis. 11. 29-31 (1999)
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[Publications] S.Matsuda et al.: "Morphological transformation of sensory ganglion neurons and satellite cells."Biomedical Review. (in press).