Research Abstract |
臨床用MRI(GE Signa 1.5T)を用い,ランダムドットステレオグラムの立体視に伴う脳活動部位をfunctionalMRIを用いて撮像した。今回は2種類の撮像方法を用いた。第1は,通常のEPI法を用い,大脳全体に亘る活動部位を固定した。第2は,MTC-EPIを用い,様々なオフレゾナンス照射条件の下で,同様のタスクを行い,撮像した。解析では,タスクに伴う頭部運動の補足を行い,FWHMガウスフィルターで平滑化を行った。その後,SPM(Statistical Parametric Mapping)解析を行い,大脳活動領域を,Thalairach標準脳座標にmappingするという方法を用いた。Finger Opposition課題では,左右の一次運動野及び前運動野に明らかな活動が見られたが,MTC-EPIを用いることにより,活動部位のZ値の著しい増大が観測された。ステレオドットグラムの立体視では,18,19,45,40野に活動が見られ,これらは,更に,V2,V3,V5,IPS,STS及び前頭前野を含んでいた。これらは既にサル脳で確立された視覚情報処理経路のうちでも,空間認識に関与する部分に相当する。また,この結果はPETにより同定された活動部位を含んでいるが,PETでは観測されなかった部分も同時に含んでいる。PETでは長時間平均を観測しているが,fMRI(MTC-EPI)では,一過性の活動も捉えているため,このような差が生じたと考えられる。
|