1998 Fiscal Year Annual Research Report
ATP感受性Kチャネルを構成する分子の心筋細胞内分布と虚血によるリモデリング
Project/Area Number |
10670041
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
鷹野 誠 京都大学, 医学研究科, 助手 (30236252)
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Keywords | KIR6.1 / KIR6.2 / SUR / ATP sensitive K^+ channel / patch clamp |
Research Abstract |
心臓にはスルフオニルウレア受容体のうちSUR2A.SUR2Bと、内向き整流KチャネルのKIR6.1、KIR6.2が発現し、AIP感受性Kチャネル(K@@S2ATP@@E2)を構成すると考えられている。われわれは虚血再潅流後にこれらの分子のうち・KIR6.1の発現量が選択的に上昇することを発見した。Kir6.1の発現部位としては、(1)血管平滑筋の形質膜、(2)ミトコンドリア内膜、(3)心筋細胞の形質膜が考えられている。本研究ではこのうちKir6.1がKir6.2、SUR2Aとともに形質膜上でhetero-multimerを形成した場合のK@@S2ATP@@E2チャネルの機能変化を発現系を用いて検討した。 まず、Kir6.1とKir6.2をタンデムに連結した融合蛋白(tandem)のcDNAを作製した。tandem/SUR2Aは、Kir6.1/SUR2AとKir6.2/SUR2Aの中間の単一チャネルコンダクタンスを示し、Kir6.1とKir6.2はheteromultimerを形成しうることが判明した。同様にtandemはKir6.1とKir6.2の中間的なATP感受性を有する可能性が予想された。しかしMg非存在下ではKir6.2/SUR2Aとtandem/SUR2AのあいだにATP感受性の有為な差は認められなかった。Mg存在下では、tandem/SUR2AのAIP感受性は有意に低く、より強い心筋保護作用を発揮すると考えられた。 しかしながら、虚血再潅流後の心筋細胞に上記のような性質を有する新たなK@@S2ATP@@E2チャネノレが発現しているか否かは未だに不明である。またKir6.1の発現上昇はミトコンドリアの機能変化によるものである可能性も否定できないし、血管新生を反映するものかも知れない。平成11年度は、これらの点に関してさらに検討を加えていく。
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[Publications] Takano,M.Xie,L.H.,Otani,H and Horie,M.: "Cytoplasmic terminus domains of Kir6.x confor different nucleotide-dependent gating on the ATP-sensitive K^+ channel" Journal of Physiology. 512. 395-406 (1998)
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[Publications] Xie,L.H.,Takano,M.and Noma,A.: "Inhibitory effect of propranolol on the ATP-sensitive K^+ channel in nesratal rat heart" British Journal of Pharmacology. 123. 599-604 (1998)
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[Publications] Mukai,E.,Ishida,H.,Horie,M.,Noma,A.,Seino,Y.and Takano,M.: "The anti-arnythmic agent cibenzoline inhibits KATP channel by binding to Kir6.2" Biochemical Bio physical Research Communications. 251. 477-481 (1998)