1998 Fiscal Year Annual Research Report
骨格筋筋原線維のATPase活性と収縮特性に及ぼす代謝産物の影響
Project/Area Number |
10670048
|
Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
杉 晴夫 帝京大学, 医学部, 教授 (20082076)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白川 伊吹 帝京大学, 医学部, 助手 (80236190)
茶圓 茂 帝京大学, 医学部, 講師 (60142452)
小林 孝和 帝京大学, 医学部, 講師 (00112756)
|
Keywords | 筋収縮 / ATPase活性 / 収縮特性 / 筋疲労 / 筋代謝産物 |
Research Abstract |
平成10年度の本研究の成果は以下のように要約される。 1. ウサギ長腰筋から作製したグリセリン抽出筋原線維束をCa^<2+>により最大限に活性化した際の等尺性収縮張力と無荷重最大短縮速度に及ぼす乳酸の影響を調べた。なお従来報告されている乳酸の効果の大部分は、乳酸によるpHの低下によることが判明しているので、本実験ではbufferにより実験液のpHを7.2に保った。 2. 乳酸濃度を5〜20mMに変化させると、乳酸濃度の増大とともに等尺性収縮張力と最大短縮速度は減少した。しかし減少の程度は両者共20mM乳酸存在下で約10%であった。 3. ウサギ長腰筋から抽出したミオシンと蛍光標識したアクチン間の無荷重滑り速度を、In vitro assay系を用いて測定した結果、ミオシン上のアクチンフィラメントの滑り速度は筋原線維束の無荷重最大短縮速度と同様に、20mM乳酸存在下に約10%減少した。 4. 上記の筋原線維束のCa^<2+>による張力発生中、NAD-NADH法によりATPase活性を2波長分光光度計により発生張力と同時記録した結果、筋原線維束のtension cost(発生張力の力積を同じ時間内のATP分解量で割った値)は20mM乳酸により約8%減少した。現在この結果を確認するため研究を継続中である。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] Kobayashi,T.,Ueno,S.,Saeki,Y.& Sugi,H.: "Effect of lactate on contractility and ATPase activity of skeletal muscle fibers" Japanese Journal of Physiology. 48. S93- (1998)
-
[Publications] Kobaysdhi,T.,Saeki,Y.,Ueno,S.& Sugi,H.: "The effect of lactate on isometric force and ATPase activity during Ca^<2+>-activation in glycerinated rabbit psoas muscle filbers" Journal of Muscle Research and Cell Motility. 20(in press). (1999)