1998 Fiscal Year Annual Research Report
ホヤ胚2細胞系を用いた神経分化過程における時間制御の解析
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10670049
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Research Institution | Meiji Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
高橋 國太郎 明治薬科大学, 薬学部, 教授 (10010034)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 資子 明治薬科大学, 薬学部, 講師 (80277730)
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Keywords | ホヤ予定神経割球 / 神経形質発現 / 時間的制御因子 / ギャップ結合 / GFP融合蛋白 / A3割球 / 新神経誘導系 / 発現可視化 |
Research Abstract |
本研究計画では、ホヤ初期胚から分離した予定神経割球・予定脊索割球からなる神経誘導細胞系を用い予定神経細胞内における神経分化決定の時期制御機序、とくにギャップ結合(GJ)の消失が分化・発生における神経形質発現の時間的制御因子として機能することを解析する。ギャップ結合GFP融合蛋白クローンのmRNAを注入して強制発現すると予定神経細胞内のNaチャネルの膜への出現が遅延することは平成9年度の研究からわかっている。本年度は先ず第一に強制発現するGJ-EGFP融合蛋白の蛍光発現をより効率的に可視化増大できれば、さらに詳細な知見が得られるものと考え、GJ-BGFP融合蛋白cDNAの誘導体をいくつか作製し、それらの発現をE.Coli、マウス繊維芽細胞やアカホヤ初期胚などの系で検討した。第二にcRNAの細胞への注入は、注入する胚細胞のサイズがより大きいほど高濃度で高容量のmRNA溶液を注入することが可能と考えられる。ところで、4細胞期胚頭側A3割球は大型でかつ多能性を有し、さらに発生が進行すると8細胞期胚a4-2およびA4-1割球に卵割することから将来の被誘導割球としてのa4-2および誘導割球としてのA4-1の両者の性質をすでに内在し、自律性および誘導性分化決定機構の両機能を有している。この多能性A3割球にa4-2割球2個を接着して分裂抑制後培養するとA3およびa4-2割球が同時に神経化する新たな神経誘導系となることを見い出した。そこでそのA3割球にGJ-EGFP融合蛋白cRNAを注入することによりこの新たな神経誘導過程においてもGJによる胚細胞間の連絡が分化の時間制御を行っていることを明らかにした。また、マボヤcDNAライブラリイからの内因性ギャップ結合蛋白遺伝子のクローニングが進行中である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Inazawa,T.,Okamura,Y.& TAKAHASHI,K.: "Basic fibroblast growth factor induction of neuronal ion channel expression in ascidian ectodermal blastomeres." Journal of Physiology(London). 511. 347-359 (1998)
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[Publications] TAKAHASHI,K.& Okamura,Y.: "Ion channels and early development of neural cells." Physiological Reviews. 78. 307-337 (1998)
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[Publications] TAKAHASHI,K.& TANAKA-KUNISHIMA,M.: "Monitoring early neuronal differentiation by ion channels in ascidian embryos." Journal of Neurobiology. 36(3). 3-22 (1998)
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[Publications] TANAKA-KUNISHIMA,M.M.,Ohnuma,T.,Honda,M.& TAKAHASHI,K.: "The rote of gap junction connection on the ascidian neurogenesis studied with green fluorescent fusion protein of connexin 32." Japanese Journal of Physiology. 48. S26 (1998)
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[Publications] Honda,M.,Ohnuma,T.,TANAKA-KUNISHIMA,M.& TAKAHASHI,K.: "Green fluorescent fusion proteins for monitoring membrane protein expression in ascidian embryos." Japanese Journal of Physiology. 48. S27 (1998)