1999 Fiscal Year Annual Research Report
ラットクローン上皮性Na^+チャネルのヌクレオチド結合ドメインを介する機能調節機構
Project/Area Number |
10670053
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Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
石川 透 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 助教授 (70249960)
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Keywords | ENaC / ATP / Patch―clamp |
Research Abstract |
ラットクローン化上皮性Na^+チャネル(rENaC)を構成するα、β、γサブユニットを安定型発現しているNIH3T3細胞を用いて、平成10年度の実験結果をさらに補足し以下の結果を得た.ホールセル電流測定実験で、(1)Cs-gltamateを基本にしたピペット内液を用いるとrENaC活性に依存する内向き電流のrun-downが起きるが、それはATPをピペット内液に加える抑制され、そのKm値は0.3mMであること、(2)run-downの抑制作用はATP>ADP=GTP=UTP=AMPの順であることが新たに補足された.さらにoutside-outパッチを用いた単一チャネル電流測定実験により、(1)ホ-ルセル実験で用いたさまざまな細胞内液条件下(ヌクレオチドなし、ATP10mM,ATP(10mM)+EDTA(10mM),ADP(2mM),ATPgS(2mM),AMP-PNP(2mM),UTP(2mM),GTP(2mM))でrENaC単一チャネルコンダクタンスが変化しないこと、(2)ピペット内液(この場合細胞膜の細胞内側を潅流していることになる)中にATPを含まないとNPで定義されるチャネル活性の時間依存性のrun-downが見られ、このrun-downはATPの濃度依存性に抑制されることなどを示すデータが補足された.これらの研究結果はrENaCが細胞内ATP濃度により機能調節される可能性を強く示唆している(投稿準備中).これらの補足実験の他にαサブユニットのC端およびN端に存在するグリシンに富むヌクレオチド結合ドメインに注目し、まずそれぞれのN端またはC端ヌクレオチド結合ドメインのグリシンをすべてアラニンに変更させたαサブユニットを作成した.さらにこの変異体サブユニットを発現するNIH3T3細胞を作成するために、まず野性型βおよびγサブユニットを安定型発現する細胞株の作成を行い、現在そのスクリーニングをおこなっている.βおよびγサブユニットをともに発現する細胞を作成後、変異体α-サブユニットを遺伝子挿入法を用いて作成し、細胞内ヌクレオチドの効果を系統的に調べる予定である.
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Research Products
(1 results)