1999 Fiscal Year Annual Research Report
行動性体温調節反応からみた運動に伴う体温変動機構の研究
Project/Area Number |
10670058
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
田中 英登 横浜国立大学, 教育人間科学部, 助教授 (60163557)
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Keywords | 体温調節機構 / 運動 |
Research Abstract |
本研究は、運動時の体温上昇機構と運動習慣に伴う安静時の体温上昇機構をそれぞれヒト及びラットを対象として行動性体温調節反応の面から探ろうとしたものである。 平成10年度は、ヒトの運動時及び安静時、暑熱暴露時、発熱時の選択快適環境温度実験を行い、運動時の体温上昇は発熱時と同様に体温の調節目標値が上方に移行したことによる体温変動の可能性を強く示唆する結果を示した(10年度実績報告書参照)。 平成11年度は、研究目的の2番目に相当する運動習慣に伴う体温上昇機構について、ラットを用いて調査した。その結果は以下のようである。 1) 自発走回転ケージによる日常の運動量が日平均3000回転(約3.6km)以上のラットは、それ以下のラットに比べて日中安静時の体温水準は有意に高い値を示した。 2) 日常の運動によって高い体温水準を示したラットをサーマルグラディエントチャンバーに暴露するとより高い環境温度を選択し、高い体温を維持した。 3) さらに、運動によって高い体温を示したラットの飼育環境温度を24℃から10℃に下げても高い体温を維持した。 以上の結果より、日常の運動習慣に伴う体温上昇は積極的な体温変動であることが示唆された。しかし、サーマルグラディエントチャンバーのセットアップに時間がかかり実験開始が遅れたため、例数がまだ少なく、さらに追加実験を行うことがまとめる上で不可欠である。また、これらの機構については今後の課題とされた。
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