1998 Fiscal Year Annual Research Report
ソマトスタチン受容体遺伝子2型と5型のホルモンによる転写調節機構の解析
Project/Area Number |
10670075
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute for Neuroscience |
Principal Investigator |
木村 信子 (財)東京都神経科学総合研究所, 分子神経生物学研究部門, 主任研究員 (70100138)
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Keywords | ソマトスタチン受容体 / 下垂体 / 転写調節 / ホルモン / プロモーター解析 |
Research Abstract |
ラット下垂体で発現しているソマトスタチン受容体は、結合特性やmRNA量から、主に、5型と2型であること、2型や5型のmRNAレベルは、エストロゲンや甲状腺ホルモンなどホルモンにより変動することを、私達はこれまで報告してきた。本研究は、2型と5型サブタイプ遺伝子の5'隣接上流域のプロモーター解析と、ホルモン受容体など転写調節因子による転写調節の解析から、両サブタイプの下垂体における機能や発現調節の生理的意義を明確にすることを目的としている。本年度の研究から次に示す結果を得た。(1)受容体遺伝子5'隣接上流域をPCR法で単離したところ、2型、5型の両遺伝子共に、5'側非翻訳部に約5Kbpのイントロンが存在していた。転写開始点は5゚-RACEで調べた限りでは、2型は複数個、5型は1個存在していた。2型遺伝子は転写開始点から約4Kbp、5型遺伝子は約3Kbpの5゚上流域の塩基配列を決定した。いづれも、TATA boxを持たず、Spl、AP2、CREなどの幾つかの結合モチーフの存在が認められた。核内ホルモン(エストロゲン、甲状腺ホルモン、グルココルチコイドなど)受容体の典型的応答配列は認められなかったが、それらのhalf siteは複数個認められた。また、下垂体特異的転写調節因子Pit-1の典型的結合配列も認められなかった。(2)ルシフェラーゼをレポーターとして、5'上流配列の機能解析を行なったところ、両型共に転写開始点上流の近位に強いプロモーター活性が、遠位に転写を負に調節する配列の存在が推測された。現在、Pit-1などの下垂体特異的転写調節因子や、エストロゲン受容体、甲状腺ホルモン受容体などの発現ベクターを準備し、これら転写調節因子が2型や5型遺伝子の転写調節に関与するか否かについて検索中である。
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Research Products
(1 results)