1999 Fiscal Year Annual Research Report
糖尿病病態における心筋細胞Ca^<2+>調節機構障害の細胞電気・分子薬理学的研究
Project/Area Number |
10670077
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Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
服部 裕一 北海道大学, 医学部, 助教授 (50156361)
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Keywords | 糖尿病 / 心筋細胞 / Na^+-Ca^<2+>交換系 / 細胞内Ca^<2+>濃度 / NCX1タンパク / NCX1 mRNA |
Research Abstract |
昨年度に我々は、streptozotocin(STZ)45mg/kgを尾静脈より投与して作成した糖尿病ラットより4〜6週後に摘出した心臓において、細胞内Ca^<2+>くみ出しに重要な役割を果たしているNa^+-Ca^<2+>交換系(NCX)機構に関して、NCXアイソフォームのうち心臓に高く発現しているNCX1の蛋白量およびそのMrna量をウェスタンブロット法およびノーザンブロット法で測定したところ、蛋白量、Mrnaレベルともに糖尿病で有意に減少しており、NCX機能低下が単離した心室筋細胞でのNCX電流を測定することから証明した。本年度は糖尿病におけるNCXの変化がインスリン治療により改善するか否かを検討した。STZ投与後翌日より実験開始前日まで毎日インスリンを3〜4単位皮下注した。このインスリン治療により糖尿病で減少したNCX1の蛋白およびMrna量と、NCX電流の低下は正常レベルにもどったことから、NCXの変化は糖尿病病態により起こったものと結論された。
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