1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10670095
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
谷口 淳一 自治医科大学, 医学部, 講師 (90179838)
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Keywords | 利尿薬 / 接合尿細管 / 流速依存性 / カリウム排泄 / 低カリウム血症 / マキシK^+チャネル / ROMKチャネル |
Research Abstract |
K^+の排泄は、接合尿細管及び皮質部集合管からの分泌によって調節されているが、この分泌が尿細管管腔内液の流速に依存するため、利尿薬の使用によってK^+排泄が増加し、低K^+血症を起こすことがある。このメカニズムを明らかにするため、単離したウサギ接合尿細管を反転して管腔側膜を露出させ、パッチクランプ方によって管腔側膜上に存在するK^+チャネルを調べた。その結果、この管腔側膜には280pSのマキシK^+チャネルと35pSのROMKチャネルの2種類のチャネルが見つかった。cell-attachedパッチクランプ法でピペット内に陰圧をかけるとマキシK^+チャネルが活性化し、この活性化はピペット内からCa^<2+>を除いたり、inside-outパッチクランプ法で細胞質側溶液にEGTAを加えてCa^<2+>をキレートしても消失し、以前私が発見した満久町力依存性陽イオンチャネルを通って細胞内に流入したCa^<2+>によってマキシK^+チャネルが活性化していることがわかった。ROMKチャネルにはこのような膜張力依存性の活性化は見られなかった。また、マキシK^+チャネルはその選択的なブロッカーであるキャリブドトキシン(1μM)で完全にブロックされたが、ROMKチャネルを抑制するアラキドン酸(33μM)では全く阻害されなかった。逆にROMKチャネルは11μMのアラキドン酸でほぼ完全に抑制されたが、1μMのキャリブドトキシンでは全く阻害作用が見られなかった。今後、単離尿細管灌流法を使って接合尿細管管腔内の流れを変え、このときマキシK^+チャネルとROMKチャネルのどちらが流速依存性のK^+排泄に関わっているのか、管腔側膜のK^+コンダクタンスに対するキャリブドトキシンとアラキドン酸の作用を基に調べていく。
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Research Products
(1 results)