1999 Fiscal Year Annual Research Report
重荷時および無重荷時の心筋エネルギー消費に対する心不全治療薬の効果
Project/Area Number |
10670098
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
國廣 なごみ (呉林 なごみ) 順天堂大学, 医学部, 助教授 (50133335)
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Keywords | 心臓 / スキンドファイバー / ATPase / エネルギー消費 / 心不全 / Mg^<2+> / 筋小胞体 / Ca^<2+>によるCa^<2+>遊離 |
Research Abstract |
心筋の収縮系、筋小胞体及びその他のATP消費系に関する性質を明らかにする為、ラット、モルモット、イヌの心室筋スキンドファイバーを作製し、収縮特性、筋小胞体のCa^<2+>取込み,遊離能、ATPase活性等を調べた.また心筋のCa^<2+>遊離の特性を知るため比較の対照としてカエル骨格筋スキンドファイバーを用いCa^<2+>によるCa^<2+>遊離(CICR)活性の性質を調べ,以下の結果を得た。 1 まずCICRの性質を知るため、カエル骨格筋のCa^<2+>遊離チャネルのMg^<2+>とCa^<2+>濃度に対する親和性を求めた。その結果、骨格筋においてMg^<2+>は静止時にも活動時にもCICR活性をかなり強く抑制していることがわかった。 2 心筋スキンドファイバーを用い、Ca^<2+>遊離の性質を調べた。心筋のCICR活性は骨格筋に比べ10倍以上高く、Mg^<2+>による抑制は悪かった。筋小胞体のCa^<2+>取込み量を増した場合、骨格筋では遊離速度はあまり影響されないのに対し、心筋ではCa^<2+>の遊離又は漏れの速度が著しく増大した。またCa^<2+>遊離の性質には大きな動物種差があった。 3 スキンドファイバーのATPase活性をNADHの蛍光を利用した酵素カップリング法により測定した。Ca^<2+>非存在下のbasalな活性及び収縮系のATPase活性はラットが最も高かった。一方、CPA感受性の筋小胞体活性はラット、モルモットではあまり差が無かった。またCa^<2+>遊離を起こす条件ではATPase活性は著しく亢進されていた。 4 以上より、ATP消費系の組成は動物種差が大きく、心不全治療薬のエネルギー消費に対する効果を検討するためにはヒトに性質の近い実験動物を選ぶ必要があることがわかった。また筋小胞体のCa^<2+>取込みレベル及びCa^<2+>遊離速度もATP消費に大きな影響を与え、心不全状態に影響することが示唆された。
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[Publications] Murayama, T.: "Role of Mg^<2+> in Ca^<2+> Induced Ca^<2+> Release through Ryanodine Receptors of Frog Skeletal Muscle: Modulations by Adenine Nucleotides and Caffeine."Biophysical Journal. 78. in press (2000)
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[Publications] Kurebayashi, N.: "Role of Mg^<2+> in Ca^<2+> Induced Ca^<2+> Release through Ryanodine Receptors of Frog Skeletal Muscle in situ"Biophysical Journal. 78. 371A (2000)
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[Publications] Nishi, M.: "Abnormal Features in Skeletal Muscle from Mice Lacking Mitsugumin29"Journal of Cell Biology. 147. 1473-1480 (1999)
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[Publications] Ogawa, Y.: "Ryanodine receptor isoforms in excitation-contraction coupling"Advances in Biophysics. 36. 27-64 (1999)
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[Publications] Kurebayashi, N.: "Effect of luminal calcium on Ca^<2+> release channel activity of sarcoplasmic reticulum"Biophysical Journal. 74. 1795-1807 (1998)
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[Publications] Murayama, T.: "Stimulation by polyols of the two ryanodine receptor isoforms of frog skeletal muscle"Journal of Muscle Research and Cell Motility. 19. 15-24 (1998)