1998 Fiscal Year Annual Research Report
肝特異的遺伝子発現における転写因子の解析:サイレンサー結合タンパクのクローニング
Project/Area Number |
10670108
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
小山 芳一 北海道大学, 医学部, 助手 (90186841)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒井 正春 北海道大学, 医学部, 助教授 (50162269)
中林 秀和 北海道大学, 医学部, 助手 (10033383)
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Keywords | 転写因子 / 遺伝子発現 / サイレンサー / targeting vector / 肝ガン / 遺伝子療法 / AFP |
Research Abstract |
本研究の目的は、ヒトα-フェトプロテイン(AFP)及びアルブミン遺伝子等の肝特異的発現機構の解析から、l)細胞の分化や発ガン機構に関わる遺伝子の発現制御機構の解析、2)肝特異的転写因子の発現制御機構の解析を行い、さらに3)遺伝子療法開発のために必要な肝特異的に発現するTargeting vectorの作成を行う事である。 これまでに肝組織の分化と肝ガン発生の機序を探るため、AFP遺伝子の発現調節に関与する各種、肝特異的転写因子をクローニングし、その特性を調べた。これら因子は肝組織の分化を決定する上で重要なトランス活性化因子で、ヒトばかりでなくラット、マウスのAFP遺伝子の制御領域に結合し肝特異的遺伝子発現に関わっていることを報告した(第57回日本癌学会総会、於:横浜)。また、M干遺伝子発現の抑制に関与するサイレンサー因子とガン抑制遺伝子異常との関係を調べている。 以上の結果を踏まえ、肝細胞ガンの遺伝子療法には正常細胞では発現せず肝ガン細胞でのみ特異的に強く発現するTargeting vectorを作成するため、多数のグループと共同研究を行ってきた。これまで報告してきたように、従来のadenovirus vectorを用いたTargeting vectorを改良し、AFP遺伝子の制御領域で発現をコントロールされたsite-specific recombinase Creにより、発現量を大幅に改良することに成功した(Sato,et al.,1998)。
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