1998 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子工学的手法によるウィルソン病蛋白ATP7Bの機能ドメインの解析と発症機構
Project/Area Number |
10670112
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
寺田 邦彦 秋田大学, 医学部, 講師 (60197796)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
相場 なみ子 秋田大学, 医学部, 教務職員 (80210996)
杉山 俊博 秋田大学, 医学部, 教授 (00127242)
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Keywords | ATP7B蛋白 / ウィルソン病 / 細胞内銅輸送 / 酵母発現系 / Δccc2株 |
Research Abstract |
[目的]先天的に肝臓に銅が異常蓄積するウィルソン病では、銅輸送P型ATPase(ATP7B蛋白)をコードするATP7B遺伝子に様々な変異があることが知られている。ATP7B蛋白は、そのアミノ酸配列から、銅結合ドメイン、リン酸化ドメイン、ATP結合ドメインなどいくつかの機能ドメインを持つと推定されているが、これらのドメインが細胞内銅輸送にどのように関わっているかは明らかにされていない。そこで、我々は、ATP7B遺伝子に様々な改変を加え、それらの変異体の機能を酵母発現系で検討し、銅輸送に必須な機能ドメインの構造を明らかにすることを試みた。[研究成果]まず、ATP7B蛋白が持つ機能ドメインの内、銅結合ドメインについて検討した。ATP7B蛋白の6個の銅結合ドメインを含むN末端側に相当するcDNAを種々の制限酵素を用いて欠失させ、1-2番目、1-3番目、1-4番目、1-5番目の銅結合ドメインを持つもの、6番目のみを持つもの、および銅結合ドメインを全く持たない変異体を作製した。次に、ウィルソン病患者に見られる変異の内、H1069QおよびN1270Sと同様な点変異を持ったcDNAを作製した。これらのcDNAを酵母の発現ベクターに組み込み、酵母のATP7B相同蛋白であるCcc2蛋白が欠損した酵母株(Δccc2)にリチウム法にで遺伝子導入し、相補試験を行うことによって、それぞれの変異型蛋白の機能を検定した。遺伝子導入されたΔccc2株の内、野生型cDNAを導入されたものと同様に生育できたのは、6番目の銅結合ドメインのみを持つ変異体とH1069Q変異体を発現しているものだけであった。以上のことから、ATP7B蛋白が持つ6つの銅結合ドメインの中で6番目のものが、最も機能的に重要であることが示唆された。また、N1270S変異体が機能を発現できなかったことは、この変異を持つウィルソン病患者の症状発症を裏付けるものと思われた。
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[Publications] Terada K,et al.: "Restoration of holoceruloplasmin synthesis in LEC rat after infusion of……" J.Biol.Chem.273. 1815-1820 (1998)
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[Publications] Iida M,et al.: "Analysis of functional domains of Wilson disease protein(ATP7B)in……" FEBS Lett.428. 281-285 (1998)
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[Publications] Terada K,et al.: "ATP7B(WND)protein" Int.J.Biochem.Cell Biol.30. 1063-1067 (1998)
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[Publications] Minamiya M,et al.: "The requirement of intercellular adhesion molecule-1 for neutrophil……" Am.J.Respir.Crit.Care Med.158. 635-642 (1998)
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[Publications] Saito H,et al.: "Endothelial myosin light chain kinase regulates neutrophil migration……" J.Immunol.161. 1533-1540 (1998)
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[Publications] Schisky M.L,et al.: "Copper resistant human hepatoblastoma mutant cell lines without……" Hepatology. 28. 1347-1356 (1998)