1998 Fiscal Year Annual Research Report
新しいインプリント遺伝子Impactの機能解析:様々なモデル生物を用いた多元的アプローチ
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10670113
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
伊藤 隆司 東京大学, 医科学研究所, 助手 (90201326)
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Keywords | ゲノムインプリンティング / 翻訳制御 / GCN1 / GCN2 |
Research Abstract |
Impactは我々が独自に開発したアレリックメッセージディスプレイ法を用いて同定された新規父性発現遺伝子である。Imapctは細菌から哺乳類に至るまで進化的に高度に保存されたドメインを共有する機能不明の蛋白質ファミリーの一員をコードする。我々はこの保存性に注目し、様々なモデル生物のImpactホモログをそれぞれの生物の特色を利用して解析するいわば多元的なアプローチことでインパクトファミリーの機能を解明したいと考えている。 今年度は、出芽酵母およびアフリカツメガエルのImpactホモログを単離し解析を行った。 【Impactの出芽酵母ホモログYLH1(Yeast Impact Homolog 1)の解析】 ・Yih1pはそのN末領域にある特異的モチーフを介してGcn1pに直接結合すること。 ・このモチーフを共有するeIF2αキナーゼGcn2pもYih1pと同様にGcn1pに結合すること。 ・Gcn1pとGcn2pとの結合は「アミノ酸合成の一般制御」を司るGCN系にとって必須であること。 ・Gcn1p-Gcn2p間相互作用を競合的に阻害することでYih1pはGCN系の機能、即ちeIF2αのリン酸化、を負に制御し得ること。 の4点を明らかにした。eIF2αのリン酸化は翻訳開始効率を全般に低下させる最も有名な分子機構である。哺乳類でもそれが機能しており、その障害は細胞増殖の恒常的刺激、さらにはトランスフォーメーションを起こす。よって出芽酵母でのデータを外挿するとImpactはこのリン酸化を阻害して、翻訳のブレーキを外す役割を持ち、細胞増殖を正に制御する可能性が示唆された。 【ImpactのツメガエルホモログXimpactの解析】 ・Ximpactは初期胚および成体の双方でubiquitousに発現していること、 ・X.laevisとX.borealisの種間雑種を用いた解析ではその発現は両アレル性であること、 ・mRNA注入によるXimpactの過剰発現は原腸陥入の異常を惹起すること、 の3点を明らかにした。Ximpactの発現量制御が初期発生において重要であることが示唆された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Mizuki,K.: "Functional modules and expression of mouse p40^<ph ax> and p67^<ph ax>,Src homology 3(SH3)domain-containing proteins involved in the phagocyte NADPH oxidase complex." Eur.J.Biochem.251. 573-582 (1998)
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[Publications] Nakamura,R.: "The PC motif:a novel and evolutionarily conserved sequence involved in interaction between p40^<phax> and p67^<phax>,SH3 domain-containing cytosolic factors of the phagocyte NADPH oxidase." Eur.J.Biochem.251. 583-589 (1998)
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[Publications] Hata,K.: "Anionic amphiphile-independent activation of the phagocyte NADPH oxidase in a cell-free system by p47^<phax> and p67^<phax>,both in C terminally truncated forms" J.Biol.Chem.273. 4232-4236 (1998)
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[Publications] Oka,M.: "Dendritic cell response and susceptibility to stomach carcinogenesis caused by N-methyl-N'-nitro-N-nitrosoguanidine in rats." Cancer Res.58. 4107-4112 (1998)
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[Publications] Choi,D.-K.: "Fluorescent differential display analysis of gene expression in apoptotic neuroblastoma cells." Gene. 223. 21-31 (1998)
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[Publications] Yamada,Y.: "Spatiotemporal,allelic,and enforced expression of Ximpact,the Xenopus homolog of mouse imprinted gene Impact." Biochem.Biophys.Res.Commun.(in press). (1999)