1999 Fiscal Year Annual Research Report
反復配列DNAから成るヌクレオソームの分子構造とクロマチンにおける機能解析
Project/Area Number |
10670114
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
三嶋 行雄 新潟大学, 医学部, 助教授 (30166003)
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Keywords | 再構成クロマチン / 反復配列 / GGAリピート / マイクロサテライト / トリフレックス / DNA-DNA複合体 / 原子間力顕微鏡 |
Research Abstract |
反復配列(GGA/TCC)_nを含むDNA断片が、グアニン(G)残基を介して三本鎖およびDNA-DNA複合体を形成することを、裸のDNA断片を用いて見いだした。そこで、この現象がクロマチンレベルでも生じるかどうかを調べるため、再構成クロマチンを用いて検討した。 末端^<32>P標識した約160塩基長のDNA断片とヒストンコア(H2A、H2B、H3、H4)_2を高塩濃度下で混和し、透析法で塩濃度を徐々に下げることによりモノヌクレオソームの再構成を行った。この再構成ヌクレオソームと一本鎖オリゴヌクレオチドGGA_<11>または(GGA/TCC)_<11>(pUC-GGAと命名)を含む二本鎖DNA断片を37℃、1時間加温後、4℃で蛋白分解酵素を働かせて除蛋白し、三本鎖およびDNA-DNA複合体形成をゲルシフトアッセイ法で調べた。その結果、裸のDNA断片を用いて得られた以前の結果と同様の結果が得られ、再構成ヌクレオソームを用いた方が裸のDNA断片を用いた時よりその複合体形成の効率が良かった。この複合体形成が再構成ヌクレオソーム上で生じていることを、DNase Iフットプリント法で確認することができた。すなわち、再構成ヌクレオソームでの三本鎖およびDNA-DNA複合体をDNase Iで部分消化すると、GGA反復配列の領域のみが酵素から保護された。また、再構成ヌクレオソームでのゲノム中に存在する反復配列(G5と命名)とpUC-GGAとの複合体形成を調べた結果、再構成ヌクレオソームでも裸のDNAで得られ以前の結果と同様に、ホモロガスな配列間でのみ複合体が形成されることが分かった。 現在、再構成ヌクレオソームでこれら三本鎖およびDNA-DNA複合体形成が生じていることを原子間力顕微鏡により可視化しようとしている。現在その条件を検討し、DNAやヌクレオソームを観察することができるようになった。目下、複合体形成が見られるか検討中である。
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[Publications] Y.Endo, et al.: "Compact chrmatin packaging of inactive X chromosome involves the actively transcribed Xist gene"Mammalian Genome. 10. 606-610 (1999)
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[Publications] 三嶋行雄,木南 凌: "染色体中のポリプリン/ポリピリミジン配列の機能"蛋白質・核酸・酵素. 144・12. 111-118 (1999)