1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10670121
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
清水 章 京都大学, 遺伝子実験施設, 教授 (00162694)
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Keywords | 新生児胸腺摘除 / 自己免疫性胃炎 / Th1 / Th2サブセット / ケモカイン / T細胞受容体遺伝子導入マウス / 血管透過能 / 血管内皮細胞 / CD4陽性キラー |
Research Abstract |
新生児期胸腺摘除によって自己免疫性胃炎を発症させたマウスにおける活性化されたCD4陽性T細胞サブセットの集積様式は臓器・組織ごとに異なり、胃所属リンパ節ではTh1/Th2両サブセットの細胞が同数程度存在するが、炎症局所である胃粘膜では、Th1サブセットが極めて優勢であることを見い出した。このように、場所的な棲み分けによって両サブセットの同時活性化が起こると考えられる。また、自己免疫性胃炎発症個体の胃粘膜においては、Th1サブセットを誘引するケモカインのmRNAが検出されたが、Th2サブセットを誘引するケモカインのmRNAは検出できなかった。以上の結果から、Th1サブセットの選択的集積が引き金となり、胃壁障害性細胞が抑制を受けにくい環境が成立した後、胃壁(抗原)特異的な細胞群が活性化され、次第に優位となって胃炎が発症するとのモデルが導かれた。また、昨年度までの研究で見い出した、血管内皮細胞層の選択的透過能が、Th1/Th2両サブセット間の一般的性質の差であるのかを検討するため、正常マウス、あるいは抗卵白アルブミン特異的T細胞受容体遺伝子導入マウスのナイーブT細胞を試験管内でTh1/Th2サブセットにそれぞれ別個に分化させ、これらの活性化型血管内皮細胞層の透過能を試験管内透過実験系で測定した。正常マウスやT細胞受容体遺伝子導入マウス由来のTh1サブセットも効率良くこの細胞層を透過できるのに対し、Th2サブセットは透過し難いことが判明した。長期間の培養によって細胞株化してもこの性質(透過能の差)は保たれており、細胞のクローン化によっても失われなかった。従って、T細胞サブセット間における血管透過能の差は極めて一般的な性質であり、特殊な自己免疫疾患のみならず、免疫性炎症全般に一般化できるものであると推定される。
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[Publications] H.Kitano, et al.: "Class switch recombination of the chicken immunoglobulin heavychain genes : implications for the primordial switch region repeats"International Immunology. 12・7(印刷中). (2000)
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[Publications] Y.Agata. et al.: "Two novel Krupel-associated box-containing zinc-finger proteins, KRAZ1 and KRAZ2, repress transcription through functional interaction with the corepressor KAP-1(TIF1β/KRIP-1)"Journal of Biological Chemistry. 274・23. 16412-16422 (1999)
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[Publications] 片貝智哉,他: "マウス自己免疫性胃炎の発症機構"炎症と免疫. 7・4. 414-421 (1999)