1998 Fiscal Year Annual Research Report
甲状腺髄様癌細胞におけるTSH受容体TPO及びサイログロブリンmRNAの発現-甲状腺mixed medullary-folliocular carcinomaの組織発生に関する研究-
Project/Area Number |
10670156
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
水上 勇治 金沢大学, 医学部, 教授 (60110540)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
道岸 隆敏 金沢大学, 医学部, 助教授 (60020012)
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Keywords | tyroglobulin / calcitonin / 甲状腺mixed medullary-follicular carcinoma |
Research Abstract |
本年度の研究では、甲状腺mixed medullary-follicular carcinomaを臨床病理学的な側面より検討を行った。1971年から1995年までの25年間に経験した髄様癌30例について、病理組織学的、免疫組織学的検討を行った結果2例にmixed medullary-follicular carcinomaを見出した。1例は27歳男性で、家族性髄様癌の患者であった。この患者の家系では、父親と本人をふくむ兄弟2人に髄様癌の発生が認められた。父親と兄弟1人の髄様癌は通常の髄様癌であったが、当患者のみがmixed medullary-follicular carcinomaであった。他の1例は44歳の男性で、散発性の髄様癌で家族歴は認められなかった。免疫組織学的には、腫瘍内に明らかなコロイドをつめた濾胞形成が認められ、この部はtyroglobulin陽性であった。その他の腫瘍細胞はcalcitonin陽性であった。Tyroglobulin-calcitonin2重染色では、tyroglobulin陽性細胞とcalcitonin陽性細胞とは明瞭に区別され、tyroglobulin、calcitonin共に陽性となる細胞は観察されなかった。来年度は、これらの試料を用い、生化学的に(mRNAおよび蛋白レベル)本腫瘍の病態発生について検討を行う予定である。
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