2000 Fiscal Year Annual Research Report
接着分子インテグリンα4β1を用いた骨転移の診断・治療への応用
Project/Area Number |
10670158
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松浦 成昭 大阪大学, 医学部, 教授 (70190402)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉川 秀樹 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (60191558)
玉木 康博 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (10273690)
河口 直正 大阪大学, 医学部, 助手 (70224748)
東山 繁樹 大阪大学, 医学部, 助教授 (60202272)
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Keywords | 骨転移 / インテグリンα4β1 / 抗癌剤 / 遺伝子導入 |
Research Abstract |
前年度までの検討でChinese hamster ovary(CHO)細胞にインテグリンα4を遺伝子導入したα4-CHO細胞は高頻度に骨転移を引き起こし、そのメカニズムとしてインテグリンα4β1と骨髄ストローマ細胞表面のVCAM-1(vascular cell adhesion molecule-1)との相互作用を介しておこることを明らかにした。そこで、ホルモンレセプター陰性の乳癌の骨転移のモデルとして、α4-CHO細胞を用い、骨転移に対するUFTおよび酢酸メドロキシプロゲステロン(MPA)の併用療法め有用性について検討した。薬剤の骨転移抑制作用については、骨転移の有無と程度を観察し、また、薬剤による副作用の評価は、宿主マウスの摂餌量および体重変化の測定にて行った。薬剤は連日経口投与し、3週間でsacrificeして転移を検討した。その結果、UFTの中用量投与(20mg/kg/day)および高用量投与(30mg/kg/day)においては、MPA併用により高い骨転移抑制作用を認めた。また、UFT高用量投与においては、MPA併用により食餌摂取量の増加、体重減少の低下、さらに肝の壊死性の変化の軽減など、UFTの著明な副作用の軽減を認めた。以上より、UFT・MPA併用療法は、効果と副作用の両面において、骨転移に対して高い有用性が期待される。 また、乳癌、前立腺癌、肺癌原発で骨転移をおこした症例の原発巣と転移巣について、インテグリンα4β1の発現をmRNA(RT-PCR法)およびタンパクレベル(免疫組織化学)で比較検討した。いずれも原発巣に比して、転移巣の腫瘍組織で著明なα4の発現亢進を認めた。インテグリンα3β1も同時に検討したが、発現に差は見られなかった。今後、多数例の検討が必要であるが、α4β1を介して、骨転移を起こす可能性が示唆された。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Ito Y, et al.: "The status of Fas and Fas ligand expression can predict recurrence of hepatocellular carcinoma."Brit J Cancer. 82・6. 1211-1217 (2000)
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[Publications] Miyazaki M, et al.: "Detection of microsatellite alterations in nipple discharge accompanied by breast cancer."Breast Cancer Res Treat. 60・1. 35-41 (2000)
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[Publications] Shamma A, et al.: "Up-regulation of cyclooxygenase-2 in squamous carcino-genesis of the esophaqus."Clin Cancer Res. 6・4. 1229-1238 (2000)
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[Publications] Okami J, et al.: "Genetic detection for micrometastasis in lymph node of biliary tract carcinoma."Clin Cancer Res.. 6・6. 2326-2332 (2000)
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[Publications] Takemasa I, et al.: "Overexpression of CDC25B phosphatase as a novel marker of poor prognosis of human colorectal carcinoma."Cancer Res. 60・11. 3043-3050 (2000)
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[Publications] Kitada T, et al.: "Addition of bisecting N-acetylglucosamine residues to E-cadherin downregulates the tyrosine phosphorylation of beta-catenin"J Biol Chem. 276・1. 475-480 (2001)
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[Publications] 谷口直之 他: "がんのベーシックサイエンス"メディカル・サイエンス・インターナショナル. 460 (2000)
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[Publications] 宮坂昌之: "新版接着分子ハンドブック"秀潤社. 188 (2000)