1998 Fiscal Year Annual Research Report
レーザーマイクロディセクション法による肺腺癌前癌病変の遺伝子解析
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10670165
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
橋本 修一 九州大学, 医学部, 助手 (00243931)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
居石 克夫 九州大学, 医学部, 教授 (70108710)
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Keywords | 肺腺癌 / 異型腺腫様過形成(AAH) / SP-A / proSP-C / CC10 / p53 / Ki-67(MIB-1) / レーザーマイクロディセクション |
Research Abstract |
研究初年度は末梢性肺腺癌の前癌病変とされる異型腺腫様過形成病変(AAH)の発現頻度の検索と病理形態学的異型度分類(軽度異型群、高度異型群)を行い、免疫組織化学的に肺胞II型細胞上皮マーカーとして抗サーファクタント・アポ蛋白(SP)-A、proSP-C、ならびにクララ細胞マーカーとして抗クララ細胞蛋白(CC10)抗体を用いた発生母細胞の検討を行った。また、病変の大きさおおび核異型性につき形態計測を行い我々の病理形態学的異型度分類の妥当性を検証した。末梢性肺腺癌21例中13例(62%)に、65病巣(Low:High=45:20)のAAH病変を認めた。免疫染色の結果SP-AおよびproSP-CはAAH全病巣に中等度以上に陽性であったがCC10は全病巣に陰性であり、AAHの異型細胞が肺胞II型上皮細胞の表現形質を呈することが認められ、AAHの肺胞II型上皮およびその前駆細胞由来が示唆された。proSP-Cは異型度の増加ならびに原発巣の分化度の低下とともに発現の低下が顕著であり、AAH混在腺癌病巣においても、proSP-C発現は腺癌部分において低下した所見を認め、AAHから癌への進展に伴うII型肺胞上皮の表現形質の低下が示唆された。また、proSP-Cは正常部の細気管支クララ細胞には明らかな発現は認めず肺胞II型上皮細胞の特異的マーカーとしての有効性が期待された。p53,Ki-67発現も異型度の増加とよく相関した(p<0.0001)。AAHおよび核最大径、ならびに核面積平均値はそれぞれ軽度異型群1.7mm、7.22μm、28.23μm^2、高度異型群3.7mm、8.20μm、36.01μm^2であり各群間に有意差を認め(p<0.0001)、組織学的異型度評価との妥当性が示された。さらに、5mm以上の4病巣は全て高度異型群であった。次年度はレーザーマイクロディセクション法によりAAHにおけるp53ならびに未知遺伝子の変異解析を行い末梢性肺腺癌の発生に関与し得る遺伝子の解析を行う。
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