1998 Fiscal Year Annual Research Report
新規変性LDLとしての糖酸化LDLの粥状硬化巣における形成とその役割
Project/Area Number |
10670183
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
坂田 則行 福岡大学, 医学部, 教授 (20134273)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田代 忠 福岡大学, 医学部, 助教授 (20268981)
松永 彰 福岡大学, 医学部, 講師 (60221587)
佐々木 淳 福岡大学, 医学部, 助教授 (90122697)
孟 晶 福岡大学, 医学部, 助手 (50299567)
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Keywords | 低密度リポ蛋白 / 後期反応生成物 / 糖酸化反応産物 / 粥状硬化 / 免疫化学 / 免疫組織化学 / 糖化 / 酸化 |
Research Abstract |
1. 抗CML抗体と抗nonCML抗体の特性に関する免疫化学的検討:我々は、カルボキシメチルリジン(CML)とCML以外の後期反応生成物(nonCML)に対する二種類の抗体を作製し、そのエピトープと抗体の特性を免疫化学的に検討した。その結果、CMLは酸化と糖化反応が関与する後期反応生成物、すなわち糖酸化反応産物であるのに対し、nonCMLは糖化反応だけで形成される後期反応生成物であることを免疫化学的に証明し、さらに両エピトーブに対する抗体は互いに交差反応しないことを明らかにした。 2. CML,nonCML-epitopeの動脈硬化巣における局在と酸化LDLとの関係:20例の非糖尿病剖検例を用い、大動脈粥状硬化巣におけるCML,nonCML-epitopesと酸化LDLの局在を免疫組織化学的に調べた。CML-とnonCML-epitopeは、ともに40才以上の症例のびまん性内膜肥厚部のコラーゲンにすって認められた。しかし、40才未満の症例のびまん性内膜肥厚部には見られなかった。脂肪線条や粥状硬化班になると、CML-epititopeと酸化LDLは主にマクロファージ/泡沫細胞内に集積するのに対し、nonCML-epitopeは細胞外マトリックスに局在した。このことより、(1)後期反応生成物は加齢に伴ない内膜に蓄積すること、(2)糖酸化反応とLDLの酸化が密接に関与し、粥状硬化巣における糖酸化LDLの形成とマクロファージの泡沫細胞化を介する粥状硬化促進機序の可能性が示された。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Sakata Noriyuki: "Oxidative damage of vascular smooth muscle cells…" Atherosclerosis. 136.2. 263-274 (1998)
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[Publications] Meng Jing: "Glycoxidation in aortic collagen from STZ-induced…" Atherosclerosis. 136.2. 355-365 (1998)
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[Publications] Ikeda Kazuyoshi: "Immunochemical approaches to AGE-structures…" J Immunol Methods. 215. 95-104 (1998)
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[Publications] Sakata Noriyuki: "Immunochemical approaches to AGE-structures…" Atherosclerosis. 141. 61-75 (1998)
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[Publications] Sakata Noriyuki: "Increased advanced glycation end products in…" Atherosclerosis. 142. 67-77 (1999)