1999 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト脳腫瘍におけるp16遺伝子およびその発現異常の研究
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10670185
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Research Institution | Chiba Cancer Center Research Institute |
Principal Investigator |
望月 重信 千葉県がんセンター, 研究局・病理研究部, 主任研究員 (60260246)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩立 康男 千葉大学, 医学部・脳神経外科, 助手 (70272309)
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Keywords | ヒト脳腫瘍 / p16遺伝子異常 / ホモ接合型欠失 / 突然変異 / E1β遺伝子変異 |
Research Abstract |
昨年に引き続き症例を増やし、日本人脳腫瘍患者由来DNA75例(上衣腫3例、乏突起膠腫9例、星細胞腫12例、退形成性星細胞腫11例、髄芽腫1例、膠芽腫39例)を用い、9番染色体短腕に存在するがん抑制遺伝子候補であるp16遺伝子の異常を検索した。まずp16遺伝子のホモ接合型欠失の有無を、p16遺伝子エクソン2および同じ9番染色体長腕に存在する9qSTS5を増幅する2種のプライマー系を用いたマルチプレックスPCR法により調べた。P16遺伝子ホモ接合型欠失は1例の退形成性星細胞腫と6例の膠芽腫においてのみ認められた。PCR-SSCP法によるP16遺伝子変異のスクリーニングでは星細胞腫の1例、退形成性星細胞腫の1例および膠芽腫の6例で移動度の異なるシグナルがみられた。この8症例のPCR産物をベクターに組み込み塩基配列を決定した。全例に突然変異が検出され、膠芽腫の3例のコドン66、143、145にアミノ酸置換の予測される変異がみられた。悪性度の高い症例でp16遺伝子のホモ接合型欠失率、突然変異率共高かった。しかし悪性脳腫瘍においてはp16遺伝子ホモ接合型欠失が50%以上と高頻度に認められ、突然変異はほとんどみられないとする欧米からの報告とは異なり、日本人悪性脳腫瘍患者のp16遺伝子のホモ接合型欠失の頻度は約15%と低く、脳腫瘍発生機構に人種差がある可能性を示唆する。p16エクソン2にスプライスしp16とは全く異なる蛋白を作るE1β遺伝子がコードする蛋白が、p53蛋白と関連し発がんに関与するとの報告がある。日本人脳腫瘍患者由来DNA75例のE1β遺伝子の異常をPCR-SSCP法により調べたがE1β遺伝子変異は全く認められなかった。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 望月重信ら: "脳腫瘍におけるp16遺伝子およびPTEN遺伝子の異常"日本癌学会総会記事. 57. 422 (1998)
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[Publications] 岩立康男ら: "Astrocytic tumorにおけるPTENおよびp16遺伝子異常と抗癌剤感受性との相関"日本癌学会総会記事. 57. 139 (1998)
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[Publications] 岩立康男ら: "Astrocytic tumorsにおける癌抑制遺伝子異常と抗癌剤感受性"日本脳神経外科学会総会抄録集. 57. 230 (1998)
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[Publications] 岩立康男ら: "Astrocytic tumorにおけるp53,p16,PTEN遺伝子異常と予後"第7回日本脳腫瘍カンファランス抄録集. 7. 96 (1998)
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[Publications] S.Mochizuki et al.: "Homozygous deletion of the p16/MTS-1/CDKN2 gene in malignant gliomas is infrequent among Japanese patients"Int.J.Oncol.. 983-989 (1999)