1998 Fiscal Year Annual Research Report
カベオリン-3欠損による筋変性症のモデルマウス作成とその病理学的基礎研究
Project/Area Number |
10670224
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Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
萩原 康子 国立精神・神経センター, 神経研究所モデル動物開発部, 室長 (00175530)
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Keywords | カベオリン-3 / カベオリン-1 / 筋ジストロフィー / 骨格筋 / 心筋 / 平滑筋 |
Research Abstract |
カベオリンは細胞膜の非クラスリン系被覆小胞カベオレを構成する一群の膜貫通タンパク質であり、カベオリン-3は筋特異的に発現するアイソフォームである。1998年にカベオリン-3遺伝子異常による肢帯型筋ジストロフィーの症例が相次いで2つのグループから報告され、筋ジストロフィーの病態機構におけるこのタンパク質の関与が推測される。本研究においては、カベオリン-3欠損マウスおよびカベオリン-3とジストロフィンの二重欠損マウスを作成し、それらのマウスでの筋の病理学的変化を明らかにすることを目的にして筋ジストロフィーの本態を探ろうとする。 本年度の実験計画としては、(1)相同組換えによってカベオリン-3遺伝子に変異のあるマウスES細胞を得る為にマウスのカベオリン-3ゲノム遺伝子を単離して解析をする。選別マーカー遺伝子と共に組み込んだ変異遺伝子を構築作成する。マウスES細胞を培養し、変異遺伝子を導入する。(2)カベオリン-3欠損マウス作成後の解析の準備実験として免疫組織学による正常筋組織での分布を明らかにすることであった。 (1)では、マウスのカベオリン-3ゲノム遺伝子を単離して解析した結果、従来報告されていたシングルエクソンとは異なり、8Kbp以上のイントロンを含む2エクソンからなる遺伝子であることが明らかになった。現在、選別マーカー遺伝子を組み込んで構築作成した変異遺伝子をマウスES細胞に導入している。 (2)では、骨格筋、心筋および平滑筋について局在様式を蛍光抗体法による共焦点レーザー顕微鏡観察し、骨格筋ではカベオリン-3のみが筋形質膜に局在するが、心筋では筋形質膜とT管にカベオリン-3とカベオリン-1とが局在すること、子宮平滑筋にはカベオリン-3は存在せずカベオリン-1が形質膜に局在する結果を得た。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Hagiwara,Y.et al.: "Expression of caveolin-3 and caveolin-1 skeletal,cardiac and smooth muscles" Cell Structure and Function. 23.suppl. 161 (1998)
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[Publications] Hagiwara,Y.et al.: "Fiber-type-dependent expression of adenovirus-mediated transgene in mouse skeletal muscle fibers" Acta Neuropathologica. 96.3. 228-232 (1998)